チェルシー(昨季3位)【第2節、第3節観戦】

【優勝候補、盤石の滑り出し】

・Positive Aspect

選手達のコンディションも良く、流石に優勝候補筆頭と言われるだけのパフォーマンスを見せ続けている。特に新加入のコスタとシュールレの相性が良く、このコンビには大きな期待がかかりそう。前線を支えるコスタは絶好調で、初参戦のプレミアでも問題なく好パフォーマンスを披露中。また、バルセロナから獲得したセスクもボランチとアタッカーを繋ぐような独特なタスクをこなしており、攻撃にアクセントを加えている。ポイントをしっかりと補強に成功したことで、層の厚さが上位陣で飛び抜けたチームへと生まれ変わった。チームとしての完成度は未だに完璧からは程遠いものの、個々のパフォーマンスで十分圧倒出来てしまうだけの底知れなさを感じさせている。

・Negative Aspect

撃ち合いに持ち込まれたエヴァートン戦では勝利したものの、チームとしてゲームをコントロールすることが出来なかった。そういった面を考慮すると、未だにジョゼ・モウリーニョが望むフットボールが出来ているかといえば微妙だろう。また、「バルサ時代も問題視されていたセスクの瞬間的な切り換えの遅さ」は彼をセントラルで使う際には問題点となるだろう。とはいえ、第3節はそれを考慮してフォーメーションを変更していたように、ジョゼ・モウリーニョはしっかりと問題を把握しているだろうが。本調子に戻っていない印象のあるオスカルも少し気がかり。また、アザールの守備での貢献もジョゼ・モウリーニョが求めるレベルにはまだ遠い。第3節では何度となくコールマンのオーバーラップに苦しめられたように、彼の守備面での成長は必要となるだろう。

・New Player

ジエゴ・コスタ

シーズン開幕から3試合で十分なインパクトを与え、今後の活躍にも期待が持てるスペイン代表ストライカー。サイドに流れてのプレーを厭わないことがジョゼ・モウリーニョのチームに良くフィットしており、彼が空けたスペースに飛び込んでくるシュールレやウィリアンでDFラインを動かし、セスクやオスカルに良い状態で持たせるような一連の流れが完成しつつある。周りのために動ける選手でありながら、ストライカーとしてゴール前では野性的なプレーを見せており、現段階ではプレミアを見渡しても「最も良い補強」かもしれない。

・Key Player

ウィリアン

無尽蔵のスタミナで守備でも貢献出来るジョゼ・モウリーニョの懐刀は、強豪との試合で優先的に起用されることになるはずだ。アザールの守備面での貢献が少ない分、逆サイドで徹底して走り回る献身性はチームを支えている。彼をどのように使っていくかは、今季のチェルシーの結果を左右するはず。

・Potential Player

エデン・アザール

チェルシーの顔として知られるエースプレイヤーではあるものの、現状本当のトップクラスには紙一重で届いていない印象のあるアタッカー。ドリブルでの一瞬の輝きは健在だが、未だチームに生かして貰っている印象。オフ・ザ・ボールの質を上げることや戦術理解度を高めること、守備貢献を増やすことによって、バロンドールクラスに至ることが出来るか。

ティボー・クルトワ

チェルシーの守護神をチェフから奪い取った22歳のポテンシャルは底知れない。重心が非常に安定しており、自然な動き出しによって最短距離でボールを捉えるセービングは芸術的。強いて言うならスマートなプレーが多いので、フィジカルバトルが多くなるだろうセットプレーなどに対応することが求められてきそう。また、低いボールには滅法強い反面、高いボールに対しては若干反応が遅れることも。既に世界のトップクラスに手をかけており、チェルシーでの成長次第では世界一の守護神と称されるようになる日も遠くはない。

・Deadline Deal

ロイク・レミー

厳密には最終日ではないが、トーレスのミラン加入に伴って獲得したストライカー。トップ4のチームに対しては安めにバイアウトが設定されている契約だったため、非常に上手い買い物と言っていいはず。裏で勝負するスピードタイプということで放出したトーレスとタイプも近く、しっかりと穴埋めをこなしてくれそうだ。