復帰後のコンディション調整に苦慮
───今回の感染は幸いリーグ戦と被りませんでしたが、これまで競技生活を送ってこられた中でも体調が悪い日に試合を迎えた経験はあったと思います。そういったときはやはり欠場するんでしょうか。
アスリートに100人に聞いたら90人ぐらいは「出る」と言うと思います。
ケガもそうですけど、ちょっとやそっとでは出るし、そんな相談もしないと思うんです。「ケガが痛いなら出るのやめるか?」と監督にもし言われたら、100%「大丈夫です」と言うと思う。
ただ最近はJリーグでも体調不良による欠場を見るようになって、世間の流れ的に寛容になってきたのかなと感じます。
ただこの先、仮に自分の体調が悪くても、少しぐらいだったら出ちゃうかなと正直思いますね(苦笑)。
───回復した後、試合に出るために再開したトレーニングで、身体面の変化は感じるところはありましたか。
かなり感じています。
苦労しているところはフィジカルで、いまトレーニングを再開して3日目ぐらいなんですけど、心拍数が元に戻らない。
僕は『My zone』というデバイスで心拍数の管理をしているんですけど、長期休暇オフ明けみたいな感じで(心拍数が)全然上がらないし、体の疲労度もまだ慣れていない。感染前までは余裕だった12分走がいまはかなりきつい。しょうがないんですけど、そういうのは感じていますね。
───感覚としては長期のオフ明けという感じに近いんですか。
それにかなり近いです。ぶっちゃけた話をすると、次の試合はかなり不安です。おそらく今シーズンは全部スタメンで出ているので、次もスタメンでは出ると思うんですけど、かなり不安ですね。
───今回溶連菌に感染して、それをきっかけに生活の意識や考えが変わったことはありましたか。
ちょっとオーバーな話になるんですけど、今回の溶連菌、僕にとっては人生で一、二を争うくらい辛かったんですよ。「溶連菌だから抗生物質を飲めば治るよ」とお医者さんに言っていただいたんですけど、本当に死んじゃうのかなと思ってかなり怖かった。
そこから回復して散歩をよくするようになって、静岡の富士宮というところに桜を見に行ってきたんですけど、風が冷たかったり、歩けていることに感謝するようになりましたね。普通に何もなく生きていることが「すげぇんだな」って、ちょっとおっさん臭いですけど、28(歳)で本当に感謝するようになりましたね。