アスリートの体調管理と免疫力
───感染している間は、(自身が解説している)Jリーグの試合などをご覧になられていましたか。
コロナ禍が1番ひどかったときに、家から出ないことを会社に厳命されていた時期もありました。そのときと同じような形の過ごし方という意味で「こういう(コロナ禍のときの)過ごし方をあのときしていたら」と思い出しながらサッカーを観ていました。
ただ僕はサッカーをめちゃくちゃ観るタイプではないんですよ。解説としてやらせていただいたりとか、プレイヤーで現役をやっていますけど、あまり観戦に興味があるタイプではないので、いろんなチームのハイライトをかいつまんで観たりとそんな感じですね。
───コロナ禍のときに在宅での経験が活かされた形ですね。
そうですね。
───感染中のコンディション管理は大変ですよね。チーム練習などへの影響はありましたか。
基本的にチーム練習がうちにはなくて、各々のコンディションを高め、一定のスパンで集まって練習や試合に臨みます。感染中はもちろん一歩も家からは出られなくて、僕は週に4、5日ジムに行って、ストレッチや走ったりとフォームの確認をやっているんですけど、その間は一切ジムには行ってなくて…。もう体を動かすという次元まで行ってなくて、その日を生きることでいっぱいいっぱいだったと思います。
───アスリート生活を行う上で、日々の体調管理など気をつけている習慣はありますか。
特に食事の管理は人一倍気をつけています。僕はフォワードなので、プレースタイルはたくさん走って、守備をしっかりして、こぼれ球を詰めたり、ハードワークを大事にしています。
なので、どうフィジカルを落とさないかという点で食事を考えているんです。野菜から食べるベジファーストや夜は炭水化物を控えめにして余計な糖質を蓄えない、たんぱく質を多めに取る。そういう基礎的なところをしっかりしています。
いまはあまり多く行けなくなりましたけど、静岡に「おさかないっぱい『福』」(静岡市葵区)というお店があります。(清水)エスパルスの選手やベルテックス静岡(プロバスケットボールチーム)の選手がよく行くお店です。店長がアスリートご飯を作ってくれるので、そこでかなりバランスのいい食事を取らせていただいたり、外部の声を聞きながら食事管理をしてきました。あとは基本的には手洗いうがいですよね。僕は特別にサプリメントを飲んだり、プロテインをガンガン飲んだりはしていません。食事と手洗いうがいしか気を付けていません。
───アスリートは「健康」や「身体が強い」というイメージが世間一般的にあると思います。ただ実際にはアスリートはハードなトレーニングの影響もあり、免疫力が落ちてしまう傾向にあるという研究も近年では知られてきています。先ほど、発熱や頭痛に見舞われることがあるとのことでしたが、これまでの競技生活の中で自分の健康とどのように向き合ってきましたか。
おっしゃるとおりで、「スポーツをやっているから体力には自信あるんだよね」と言われるんですけど、実際そんなことはなくて。花粉症がひどかったり、偏頭痛を持っていたり、すぐお腹が痛くなったり。あんまり(身体が)強いタイプではないので、それがアスリートだからなのか、因果関係はちょっとわからないんです。ですけど人よりは激しく体を使っている感じはします。疲労という意味では、人の何倍も疲れたりするケースもあります。
例えば試合の次の日に仕事に行くってめちゃくちゃ辛いんですよ。自分が好きでアスリートをやっているので、そこで文句はもちろん言わないですけど…。その辛さを軽減するために、例えばお風呂に長く浸かったり、ストレッチを多めにやってみたりと対策はしているんですけど難しいですね。どれが対策になったのか正直分からないし、だからといってやらなかったことで身体にモロに出てきてしまうので難しいです。
身体は強いですよ。フィジカル的な意味ではガッシリしています。でも中身を鍛えることは難しいと思いますね。