――「ハメス・ロドリゲスによってポジショニングを調整」というのは面白いですね。

チーム戦術なのか個人戦術なのかは定かではありませんが、非常に面白い取り組みです。現代サッカーにおいて、一部の選手に合わせてシステムを考えるチームは少ないですからね。

そして、先ほど「後で詳しく」と言った部分に該当するのですが、フォーメーションは「4-2-3-1」を基本としながらもかなり可変的です。

それぞれ攻撃と守備面で何パターンかありますが、まずは攻撃面から。

コロンビアは、「後ろからのビルドアップの際にボランチの一人が落ちて、後ろが三枚になる」であったり、「両サイドバックは積極的に高い位置を取る」のようないくつかの決まり事を持っているように見えます。

そして、その決まり事に沿いながら、ボールを保持して敵陣に攻め込もうとする場合、このような形を取ることが多々あります。

サイドバックが高い位置を取ると同時にハメスとクアドラードの両翼は中寄りにポジションを取る。つまり、両サイドバックがオーバーラップするためのスペースを作る形ですね。

この時のフォーメーションを無理やり表すならば「3-3-3-1」といった感じでしょうか。

まぁ、右サイドに位置することの多いクアドラードは、そのプレースタイルからサイドギリギリまで目一杯張ることも多いのですが…。

――となると、右サイドが「渋滞」するのでは?

と思うかもしれませんが、右サイドバックのサンティアゴ・アリアスは非常に「頭が回る選手」なので、その問題は未然に防がれています。

クアドラードが外側を取った時は、彼が意識的に中寄りのポジションを取り、「現代風のサイドバック」に近い役回りを担う恰好です。攻撃の組み立てに参加して、あたかもボランチのように振る舞うプレーですね。

さらに、ボランチの一人が、アリアスが空けたサイドバックの裏のスペースにスライドして「トライアングル」を形成するケースもあり、このエリアでのボール運びはかなりスムーズな印象を受けました。

コロンビアは「右で崩して左で仕上げる」という攻撃パターンもありますが、それはこの連携の完成度の高さがベースとなっています。