悪評を掻き消す『絶対的信頼』
ちょうど我々がチルバ氏と話していた火曜日、チューリッヒのホテルに集まったFIFAの役員を逮捕する準備がされていた。
伝えられているところでは、被告人は『悪辣で、全体的で、そして根深い』『賄賂と不法な収入によって何百万ドルを得ていた』計画であったと説明されたようだ。
しかし前例のない組織の危機であるにも関わらず、FIFAはその会長選挙を予定通りに行うと主張した。
ゼップ・ブラッターは、オランダ協会会長のミヒャエル・ファン・プラーフ、元ポルトガル代表FWルイス・フィーゴが辞退した後、ヨルダン王子のアリ・ビン・アル・フサインと戦う。
アフリカ連盟会長のイサ・ハヤトゥは、現職のブラッター支持で大陸が連合すると宣言した。
ザンビアサッカー連盟会長を務めるカルシャ・ブワルヤはこう語る。
『彼は、長い間我々をサポートしてきてくれた唯一の候補だ。アフリカのため、そして特にザンビアのために多くの良いことをしてきた。良い男であり、最高の候補だ。
私は、彼ら(フィーゴ、ファン・プラーフ、アリ・フサイン)が何をしたいかについて理解できなかったので、懐疑的だった。おそらく彼らは誰かによって送り込まれただけなのだろう。
ゼップ・ブラッターは信頼されている。もし他の人が会長であれば、ワールドカップは南アフリカに来なかっただろう』
6つの大陸連合で最も大きなアフリカは、ブラッターの主要な支持母体だ。スポーツジャーナリストのケネディ・ゴンドウェ氏は言う。
『ブラッターに対して言われていることが気にされていない――そこには、彼はアフリカで傑出した信頼感を得ているという点がある。
FIFAの会長でありたければ、アフリカの支持を必要とする。それをブラッターは理解しているのだと思う。
FIFAのプロジェクトのお蔭で、ザンビアサッカー連盟はオフィスを構えることが出来、その使用料を払う必要もない。多くの資金を節約している。
君がザンビアで見ているものは、おそらくレソトで見られるであろうものとまったく同じだ。それはマラウィでもそうだろう。
他のいかなる会長も、アフリカにワールドカップを持ってくることはなかった。
誰もがブラッターに御都合主義だと言うことは出来る。しかし、彼はまだそれをやり続けている』