オジェニー・オナジ
「(ボコ・ハラムは5年間政府と闘争し、昨年だけで1万人の人々を殺した)
政府にアピールしたい。これは非常に重要な問題であり、恒久的な解決策を見つけなければならないと。自爆テロでの死者数――それは全て人命だ。まるで人命に価値がないかのようだ。本当に憂鬱である。
我々は人生を生きているが、明日を確信できない。自然災害ではなく、人災なんだ。人を殺す人間がいるということが、多くの病を生んでいく。
(サッカー選手や有名人は、影響力を生かしてもっと要求すべきだと思う?)
僕は他の人々を代弁することは出来ない。しかし、はっきりと話すことが必要だ。
僕が出て、『自爆テロから逃れられて幸運だった』『ジョスを守って下さい』と口に出すのは簡単だ。
じゃあ他のところはどうだ? (治安が悪い)北部のヨベやボルノ、マイドゥグリも望んでいることではないか? 話すことが出来ない他の人々がいるのではないか? 皆苦しんでいるんだ。
爆弾が直接影響しないから、安全地帯で快適さを感じている人もいる。しかし、同胞の死は、我々の仲間の一人が悲しい最後を迎えたと言うことなんだ。僕はこのままずっと欧州に住むことも出来るが、仲間なんだ。
自分の周りの世界、そこで現実に起こっている破壊からは逃れられない。故郷は心が住むところだ。両親がそこにいる。子供の頃の友人も、同胞もそこにいる。共に食事をし、サッカーを愛した仲間が。
(ナイジェリアの総選挙が行われた。新たな大統領が不安を終わらせられるか?)
そう望んでいる。しかし、誰も不安の問題だけで政治をするべきではない。
僕が代表チームでプレーするチャンスを得るときには、安全で、幸福で、そして団結した国民の前にいたいんだ。
我々は全て将来のため、孫達のために話している。残酷な人々によって人生を終わらせられることがないように。
それを終わらせられるボタンがここにあったら…と思うよ。ナイジェリアは僕の国であり、誰も死を他人に押しつけることなど出来ないはずだ。
これらは総力を持ってかかるべき問題だ。大統領一人では無理だ。全体でアプローチしていくことが必要なんだ」
自爆テロに遭遇したナイジェリア代表MF「その記憶が消えることはない」
Text by 石井彰(編集部)
カズに憧れて全身赤のスーツを買ったことで校内一の人気者になったが、中身が伴わず一発屋で終わったというエピソードを持つ島根県出身のエディター。その影響か赤いチームを好み、ヴァランシエンヌ、レイションエス、ノッティンガム・フォレストなどを応援している。
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