「太陽王」J1・柏レイソルからJ2のV・ファーレン長崎へ育成型期限付き移籍で加入したDF田中隼人。

188cmの長身にして希少価値の高い左利きのセンターバック(以下、CB)は早速、新天地で空中戦の強さを発揮し、得意のビルドアップで最終ラインから攻撃の起点となっている。

昨年には『FIFA U-20ワールドカップ』にも出場した20歳の司令塔型CBは現在、公式戦全試合にフルタイム出場中。現在3位と好調の長崎で順調な成長曲線を描いている。

(取材・文/新垣 博之、取材日:2024年3月27日)

――今年のプライベートな目標が「長崎の観光地全てを巡ること」とクラブのHPに載っていますが、目標の達成まで順調ですか?(笑)

「長崎市内はちょくちょく出歩いているんですけど、キャンプや連戦もあったのでまだまだ行けてないですね。そろそろ雲仙や島原の方にも行きたいです。長崎名物は、ちゃんぽんや皿うどん、カステラを美味しくいただいています!(笑)」

――直近の第6節・ヴァンフォーレ甲府戦(H)で同点ゴールの起点となった縦パスがお見事でした!今季絶好調のMFマテウス・ジェズス選手へのパスも増えてきましたね!

「前半からビルドアップの形が上手くできていた試合だったと思います。それまでチームも公式戦4連勝で来ていたこともあり、手応えを感じて来ているところです。

もともと自分はビルドアップの場面では最初にFWとサイドハーフ(ウイング)の選手を見るようにしています。開幕から2試合目くらいまでは自分でサイドハーフへ飛ばすパスが出せていたと思うんですけど、最近はどんどん研究されて出せなくなって来ています。FWとサイドハーフのパスコースが消された中で、現在はマテウス選手のところが空いている状況なので上手く使えていると思います」

――まだ第6節を消化したところですが、すでに相手チームからの研究や対策がされている実感があるのですか?

「ビルドアップの段階でGKからのパスや、CB間でのパス交換の時に、『自分にボールが来ないように相手にコースを消されている』と感じることがよくあります。今後はマテウス選手へのパスコースもどんどん消されると思います。ただ、そうなれば秋野(央樹)選手や別の選手のマークが空いて前を向きやすくなるので、そこはこちらもフレキシブルに考えてやっています」