ライバルに打ち勝ってスタイルを確立

――インターハイ、選手権で得点王になった鳴海彰人選手(青森山田高卒)が新入生として入ってきたわけですけど、強力なライバルが出てきましたね。

自分はBチームから上がってきたばかりだったので、いつ落とされるかもわからない状況でした。そこで高校でめっちゃ活躍した選手が来たので、当時は「どんぐらいやるんだろう」とめっちゃ気にはなっていましたね。

――それでも最後は岩渕選手が競争に勝ちましたね。

得点感覚や嗅覚はあるんですけど、彼はどっちかといえばどっしり構えて、「俺にボールをよこせ」みたいな感じでした。

自分はただ守備を頑張って、裏抜けしてという全然違うタイプだった。そういう部分では途中からはもう全然気にはならなくなりましたね。

トレーニングに取り組む仙台大時代の岩渕

――岩渕選手のプレーの特徴は、相手の嫌がるプレーを率先してできるイメージがあります。そういったプレースタイルは大学で身につけのでしょうか。

そうですね。大学2年の1年間で「自分にできることは何だろう」と考えた結果ですね。試合に出るために何が必要かと考えたときに、前線から守備を頑張って、味方が困ったときに背後へ裏抜けして逃げ道を作ってあげるプレーは、間違いなく大きかった。それで試合に出られましたからね。そこはいまにつながっている部分だと思います。

――いまのプレースタイルに行き着くにあたって、どのような努力や気づきがありましたか。

他の同い年でも関東から来たユースで有名なヤツらと違って、岩手の高校から来て、最初もBチームだったんで。変なプライドがないというか、試合に出るためにこれをやった方が試合に出られるなどを考える力は多分他よりもあった。ずる賢いじゃないですけど、プライドがなかったことが良かったかと思っています。