4位 クリスティアーノ・ロナウド

昨年末のW杯でメッシ擁するアルゼンチンがサウジアラビアとの初戦で衝撃的な敗戦を喫した2日後、ロナウドは史上初めて5大会連続ゴールを決めた選手になった。

彼はそれがメッシよりも永遠に上に立つためのスタートになることを期待していた。だが、数週間のうちに事態は取り返しのつかないことになってしまった。

メッシがW杯優勝に到達した一方、ロナウドはスタメン落ちするとポルトガルはモロッコ戦で敗退。そして、物議を醸すインタビューでマンチェスター・ユナイテッドとの関係が崩壊すると、欧州のトップクラブからも見放されたかに思われた。

その後、サウジアラビアのアル・ナスルに移籍した際には「南アフリカに来たからといって、自分のキャリアが終わるわけではない」と発言。昨季の平均観客数が8000人だった新天地のクラブに全く興奮していないことがバレるような古典的なロビーニョ的失言だった(2008年、ロビーニョはレアル・マドリーからマンチェスター・シティに移籍した際、「チェルシーではなくマンチェスターだった。すまない」と言い間違いを謝罪)。

「欧州での仕事は終わった」とロナウドは自己弁護を続けたが、実際にはその逆で欧州が彼に見切りをつけたという疑いをかわすのは難しいことだった。

どんな選手もやがては終わりを迎えるが、全てが完璧な結末になるわけではない。ジダンはレッドカードで文字通りサッカーから去っていったし、マラドーナは晩年に薬物による出場停止を科された。

一方、37歳のロナウドは加齢に抗う並外れた仕事ぶりを見せている(現在は38歳)。30歳を越えてから代表戦で66ゴールを追加し、新たな代表得点記録を樹立。CLでの得点数も140に達した。

この数か月は、とてつもないモチベーションに動きが追い付かなくなっており、かつてのようにいかないことやもう二度と戻ることがないことに苛立ちを見せている。

これほど長い間、偉大な選手だったならば、かつての栄光を取り戻すという夢を諦めるのは簡単なことではない。

バロンドール受賞とCL優勝をそれぞれ5度も成し遂げた選手なのだ。キャプテンとしてポルトガル代表をEURO優勝に導き、4度の欧州ゴールデンシューを獲得し、レアル・マドリーの歴代最多得点者にもなった。メッシさえもバルセロナでできなかった6年連続50ゴール以上も記録している。

いま、ロナウドのことをカタール(2022年W杯)での出来事を考えずに見るのは難しい。

最大のライバルであるメッシがトロフィーを掲げて永遠の覇権を手にした一方、ロナウドは涙ながらにロッカールームへと続く道をひきあげていった。

とはいえ、ロナウドは人生の半分以上をスーパースターとして過ごしてきたし、史上最高選手のひとりでもあった。これほど長くトップに君臨した選手は誰一人としていない。