――昨シーズン終了後、中村憲剛さんが引退、脇坂選手と同期の守田英正選手が移籍しました。今シーズンはどんなことを考えて開幕に臨みましたか?
憲剛さんが引退されたのもそうですし、自分より若い選手も増えました。
キャンプの前から「自分がチームを引っ張っていかなければいけない」と思っていて、そうした中で鬼木(達)監督から副キャプテンに指名していただき、強い責任を感じながらシーズンに臨みました。
――脇坂選手にとって、2020シーズンからチームのフォーメーションが4-3-3になったことが一つ転機になったのではないかと思っています。インサイドハーフというポジションはどうですか?
プロ2年目の2019シーズンはトップ下をチームとして置いていたのでそこで出場することが多かったです。
インサイドハーフになったことによって、自分のプレーの幅が広がったかなと感じています。トップ下よりやや下がり目ではあるのですが、ある程度自分が思ったところへ行くことができます。後ろのボールを引き出したり、味方の配置を見ながら前線へ飛び出したり、自分のアイデアを生かせるような配置に変わりました。
2020シーズンの開幕前までは戸惑っていた部分もあったのですが、うまくハマりだしてからは味方の良さを引き出しつつ、自分の良さも引き出してもらう形で2年間やれてきていると思います。
――プロ4年目でのベストイレブン受賞ですが、1年目の2018シーズンは大卒ながらリーグ戦出場がゼロでした。正直きつい1年だったのではないかと思います。当時どんなことを考えて過ごし、今につながっていると感じますか?
あの1年間は僕にとってすごく大事な1年間でした。
川崎では同期の守田選手がずっと試合に絡み続けていましたし、Jリーグ全体を見ても、2017年のユニバーシアード(※日本は優勝)をともに戦った選手たちがJ1やJ2で活躍していました。焦らないようにしていたのですが、やはりどうしても感じるところはありました。
ただ、試合に出られないことに対してどうこう考えるのは嫌だったので、「なぜ出られないか」を常に考え、自分が成長することにフォーカスできた1年でした。それが今にもつながっていると思います。
※2年目の2019シーズン、ACLでの活躍などもありチームの中で存在感を高めていった。