――実際にホルモン治療を受けてどのような変化がありましたか?

私自身は男性ホルモンの治療によって筋肉が付きやすく、声が低くなった印象があります。

それまでベンチプレス35kgしか上げられなかったのが今は70kgがあげられます。あと胸トラップが前より痛くない(笑)。

でも、「走る部分」ではそこまで変わらず、むしろ筋肉量が増した事で身体が重いなとも感じます。男性ホルモンを投与したからといってサッカーが巧くなるとか引退前の感覚に戻る訳ではありません。

私は小柄で155cmぐらいしかないのもありますが、普通の男性だったらある程度トレーニングすれば、ベンチプレス100kgとかあげられるかもしれません。

人間、骨格や向き・不向きもあります。今回、オリンピックで問題となっているのは重量あげに出場選手が元々男子でもプレーしていたということもあると思います。ホルモンをしたからといって一度二次性徴を迎えた男性が女性のような骨格にはなりませんので。

――永里選手が神奈川県2部のはやぶさイレブンで一時期プレーしました。女性が男子サッカーでプレーすることはどうでしょうか?

永里選手は素晴らしいと思います。だからYouTubeでは、私も実際に元女子サッカー選手が男性として他の競技に挑戦したらどうなる?ということもしてみたいと思っています。

トランスジェンダーが活躍する場所として「FtMトランスジェンダーのサッカーリーグ」ができたら面白いなとも思ってます。

――ありがとうございます。では、サッカー選手だった頃のお話を聞かせてもらってもよいでしょうか?

はい。

次回は大嶋さんがサッカー選手だった時代を振り返ります。

【Qolyインタビュー】パリ五輪出場の東京ヴェルディMF山田楓喜、トッテナムのクルゼフスキを「自分の究極系」と語るワケ

大谷翔平より稼ぐ5人のサッカー選手