1994年アメリカ大会:ドイツ 1-0 ボリビア(ユルゲン・クリンスマン)

東西統一後最初のワールドカップとなったドイツと、史上初めて予選を突破したボリビアの開幕戦。

試合は61分にユルゲン・クリンスマンが決勝ゴールを決め、優勝候補ドイツが順当に勝利を収めたが、今なお語り継がれるのはボリビアの10番、マルコ・エチェベリの退場劇だ。

個性的な髪形と魔法の左足で“悪魔”の異名をとったエチェベリ。今日においても「ボリビア最高の選手」と考えられる彼だが、前年11月に全治7~8か月の重傷を負い、開幕戦はベンチからのスタートとなった。

先制を許したボリビアは79分、そのエチェベリを投入する。しかし直後に事件は起きた。味方からのロングパスを追いかけるエチェベリはドイツの主将ローター・マテウスと交錯、その際の蹴り上げるような行為が悪質と取られ、主審に退場を命じられてしまったのだ。投入から約2分30秒後の出来事だった。

エチェベリは、故意であったことを否定している。ただ当時の彼は怪我の影響でまともにプレーできる状態ではなく、一説には最初から「相手のエースを潰そう」と考えていたとも…。なんだか最近、聞いたような話である。

逆にエースを失ったボリビアは1分2敗のグループ最下位で敗退し、エチェベリの夢舞台は2タッチ、2分30秒で終わることとなった。

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