勝敗を決めた「個人能力の差」

ただ、「押し込む展開になるのは想定内」と語る千本監督も「昨年の皇后杯や入替戦、今年に入ってからのリーグ戦も含めて、“格上”との対戦ではフィニッシュのクオリティの差は痛感しています」との言葉通り、決定機で決めきれず。

スコアレスで推移した後半、バニーズはその“フィニッシュのクオリティの差”を再び痛感することになる。

ハリマは54分に葛馬を左サイドMFに投入。速攻から彼女のドリブル突破で好機を作り始めると、70分には2トップを入れ替え、温存されていた千葉(上記写真:10番)と内田もピッチに立った。

そして80分、ハリマのDF須永愛海の右サイドからのクロスを、ファーサイドでフリーの葛馬が受け、左足を一閃。華麗なシュートがゴールネットを揺らし、ハリマが先制する。

続く85分には右コーナーキックをファーサイドで須永が折り返し、ゴール前に詰めていた千葉が頭で押し込んで追加点。

その後、2点を追うバニーズも攻勢を仕掛けたものの、ゴール前でのパスワークから巧みな身のこなしで小川が放ったシュートも枠を外れ、スコアは動かず。そのまま0-2でハリマが勝利した。

温存していた主力攻撃陣が2得点したハリマ。また、今季INAC神戸レオネッサから加入したDF須永が2アシストを記録。これまでCBとして起用されていたものの、本職の右SBに入って幅広い動きで躍動した。

また、怪我で戦列を離れているMF武田裕季がアウェイながらチームに帯同し、ハーフタイムにまでシュート練習のボール拾いを担当していた姿や、ゴール直後にベンチと一体となって歓喜するチームの雰囲気は良さそうだ。