5位 アントニオ・コンテ(チェルシー)


ユヴェントスがセリエAで5連覇を果たす礎を作った男。それがコンテであるのは揺るぎない事実である。

コンテがユヴェントスの指揮官に就任したのは2011年。シエナの監督からの転任だったが、ビッグクラブでの経験が初めてなことと他クラブで大きな実績を残していないことから疑問視する声が大きかったのを今でも覚えている。

しかし、コンテはユヴェントスに規律と新しい風をもたらすことに成功。アンドレア・ピルロを中心とした3-5-2はコンテの代名詞となり、2連覇、3連覇と続けた。これによりユヴェントスはカルチョポリによって失ってしまった“王者の風格”を完全に取り戻したといえるだろう。

その後はイタリア代表監督へと転身。今夏、EUROに挑むが、結果が出る前にチェルシーの指揮官に就任することが決まったのは驚きだ。代表監督としてそのままワールドカップへ、というのが最近のイタリア代表監督の流れであり、コンテもその流れに乗ると目されていたからだ。

代表監督よりもクラブの監督の方が魅力的なのだろうか。何はともあれ、チェルシーの再生はユヴェントスを常勝軍団に戻した男に託された。

4位 クラウディオ・ラニエリ(レスター)

今シーズン、ミラクルを達成したレスター。その歓喜の中心人物がラニエリであり、彼についてはこれまでのキャリア、レスターで何をしたのか、優勝までの道程、と、すでに多くのことが報じられてきた。

正直なイメージを言おう。「レスターで優勝するまでは一流の監督ではなかった」と。多くの名門クラブで指揮を取ったが、指揮官として獲得したリーグタイトルはフィオレンティーナ時代のセリエBのみ。トップレベルの成績を残していたと言い難い。ましてや4ヶ月でギリシャ代表監督を解任された後なのだから。

だが、もうそんな暗い話はやめよう。新シーズン、ラニエリとレスターはプレミアリーグ王者として、UEFAチャンピオンズリーグに参戦するのだから。

プレミアリーグとチャンピオンズリーグという2つの舞台を戦うことは、戦力の厚いビッグクラブでも苦戦することである。「ラニエリがレスターをどのようにマネジメントするのか」に注目が集まっているが、おそらくそれほどプレッシャーに感じていないだろう。レスターを優勝させる方が何倍もプレッシャーのかかることなのだから。

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