最初のキック練習。
簡単にこなしているように見えるが、DFを想定してカットされにくい高さにボールを蹴る必要がある。ただのキック練習と比べると、より実戦的な要素が取り入れられていることが解るはずだ。
また、距離の違うキック練習を連続で行っているのも印象的だ。同じ距離を蹴り続ける練習に比べると、難易度は倍増する。常に状況が変わり続ける試合で、同じ距離へとキックすることは多くない。そう考えると、非常に理にかなった練習と言えるだろう。
(下記動画;32秒~)
ボールを持って足でシュートを弾く、という練習も面白い。状況に応じて近距離では足を使っていく事も求められるGKは、足でのセービングにも慣れておく必要がある。
(下記動画;36秒~)
クロスの練習でも、ただコーチが山なりにボールを投げてキャッチするだけではない。DFや相手を想定出来るように障害物を配置し、ボールもDFに当たって軌道が変わったようなボールを意識している。
(下記動画;56秒~)
強度を保った連続性、というのも重要なキーワードだ。それも、視界を一度取り直す必要があるような、「左サイドからのシュート→右サイドからのボール処理」という練習が多い。
(下記動画;1:09秒~)
また、筆者が最も印象的だったのがこの練習だ。自分の背後から出てくるボールに瞬間的に反応する練習をすることで、反射的な動きの精度を高めている。
実際の試合では、「考えていては出遅れる」場面も少なくない。そういった場面に出くわした時、こういった練習で培った反射が活かされるのだろう。反射神経は才能である、という風に言われることも多いが、こういった瞬間的な動きは日々の鍛練によって作られている側面もあるはずだ。
(下記動画;1:12秒~)
こぼれ球への反応を意識した練習には、ボールを当てて軌道を変えるための障害物が使われている。GKやDFが弾いたボールを、相手がシュートに繋げるような場面を想定しながら練習に取り組んでいることが解るだろう。
(下記動画;1:31秒~)
一度目のボール処理から、出来るだけ迅速なリカバリーを必要とするこういった一連の練習は、ケイロル・ナバスの武器であるスピードを磨き上げるものでもある。身長184cmと、GKとしては背の低い彼を一流へと導いているのは、このスピードだ。