1位 マンチェスター・シティ @MCFC

ペジェグリーニさんとかいう、あんまり恵まれてなかった名将がしっかりと「守れないプレミアリーグ」でのタイトルを奪取した。まあ、スカッドのエグさを考えると予想通りのような気もしないではないのだが。個々の能力だけで言えば相当質の高い守備組織に加え、リバプールに匹敵する攻撃陣を備えていた。特に、ヤヤ・トゥーレさんが反則である。MFで20点を取り、ジェコとアグエロもしっかりと期待に応えたことで破壊的な攻撃陣が完成。FW陣で守備を引き付け、ヤヤさんがゴールを叩き込むことによって、守れないプレミアリーグのチームたちはボロボロにされてしまった。しかし、なんだかんだいってもマンチーニの作り上げたものはそうとう重要な基盤となった感じはした。ペジェグリーニがスペイン色をちょいちょい取り入れたとはいえ、結局攻撃の中心はシルバに託されており、長年をかけて成熟させた守備の基盤も終盤になってタイトルを助けた。マンチョがタイトルを取ったチームに、大金を払って選手達を上乗せしてしまったのだから、弱いはずもないよね。強すぎて厄介なことになっておきながら、デミチェリスさんが各方面でネタを提供していった感があるが、やはり如何せん面白ポイントが足りない。だから強かったんだろうけども。来季はヨーロッパでの成功が求められることになりそうだ。

マルティン・デミチェリス

大事なときにやらかす印象が強すぎたアルゼンチン代表センターバックだが、なんだかんだ僕がそんなに見ていなかった終盤はしっかり仕事をしていたらしい。遅すぎてタブロイド紙によって顔をカタツムリと融合させられていたりしたが、引きずらずに切り替えていくメンタルだけは認めざるを得ない。

フェルナンジーニョ

守備面であり得ない運動量を生かして走り回り、攻撃の芽を摘みまくったブラジル人MF。大体今年の優勝は彼のおかげのような気はしないでもない、というレベルでチームを支え続けた。ヤヤ・トゥーレがついに見つけた最高の相棒である。

ハビ・ガルシア

強さと高さを完備するMFは、動き回るフェルナンジーニョに対して中盤の底で的確なプレーを披露した。レギュラーに匹敵するパフォーマンスを見せるこのような選手の存在も、今季のマンチェスター・シティの優勝を支えていた。

ダビド・シルバ

全ての動きに意味を持たせ、攻撃陣にメッセージを与えていくことによってマンチェスター・シティというチームを形作る怪物。どれだけ選手が増えても、やはりこのチームはシルバのチームなのだなあ、と感じさせた。一本のバックパスにもチーム全体に伝わるレベルで強烈な意味を持たせられるのは、ブスケツ、イニエスタ、シャビ、ピルロ、モドリッチ、そしてシルバくらいなのではないか。パス数本で、千の言葉以上に雄弁に語る男であった。

ヴァンサン・コンパニ

対人の鬼は今年も健在。最終戦ではキャロルを紙切れのように蹴散らしながら攻撃に参加していた。もう何が何だか良くわかんないっすね。

パブロ・サバレタ

地味な見た目からプレミア屈指のプレーを繰り出しまくる玄人向けのアルゼンチン代表サイドバック。攻守にバランスが取れているだけでなく、フリーランや周りを使う能力などの目に見えにくい部分もしっかりしており、絶妙なタイミングで弾丸のようにシルバを追い越していく印象が強い。

ヤヤ・トゥーレ

ドキッ!怪獣だらけのプレミアリーグ!の中でも中盤としてはトップクラスの怪獣。密集地を無理やりぶち破る戦車のような突進ドリブルからのスルーパスなどでチャンスを作り出すだけでなく、エリア外からぶち込むシュートやフリーキックといったプレーでゴールを量産した。日本代表はこんなのとやり合うことになるのだから、もう気分も憂鬱になるというところである。


筆者名:結城 康平

プロフィール:「フットボールの試合を色んな角度から切り取って、様々な形にして組み合わせながら1つの作品にしていくことを目指す。形にこだわらず、わかりやすく、最後まで読んでもらえるような、見てない試合を是非再放送で見たいって思っていただけるような文章が書けるように日々研鑽中」
ツイッター: @yuukikouhei

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