東北人魂と運命の出会い
現役時代から参加している東北人魂を持つJ選手の会(以下東北人魂)で活動を続ける遠藤さん。2011年に発生した東日本大震災の被害を受けた東北で、サッカーを通じたボランティア活動で元気づけようと、小笠原満男さんを中心に東北出身の選手たちが創設した団体だ。
遠藤さんもこの活動に長年携わっており、小笠原さんとともに東北各地でサッカーを通じたボランティア活動に取り組んできた。
「満男さんが先頭に立ってやってくれたから、その当時は満男さんについて行きました。 満男さんはついて行きたくなるような人物ですからね。やって良かったというか、自分も楽しいというのもある。やっぱりサッカーでしか子どもたちに何かを与えられないと思っていた。いまは自分でやっているんですけど、やっぱりずっとやり続けなきゃいけないなと思いますね」
この活動を通じて運命の出会いがあった。
2023年に大卒ルーキーとして入団したFW菅原龍之助(現在J3栃木SCへ期限付き移籍中)が、2011年に宮城県内で開催された東北人魂のサッカー教室に参加していた。菅原からその話を聞いた遠藤さんは「(活動を)やっていて良かったと思いましたけど、練習中は『まずは満男さんに言わなきゃ』と頭の中がいっぱいでしたね」と振り返った。
「東北人魂を始めたときも、『教えた子どもたちがプロになったらいいね』と夢物語のようにみんなで話していました。もちろん復興の意味でもやっていましたけど、ここから一緒に同じピッチに立ってやれる場面ができたらいいねって話しながらずっとやっていたので、それが叶っちゃった。
いまでも満男さんも龍のことを見ていますし、追いかけています。『あいつ頑張ってるの?』 と僕にも言ってくるぐらい気にかけている。東北人の絆じゃないけど、なんか東北人っぽいなっていう。まだ二人は会っていませんけど、そういうのでつながっているというのは、すごくいいなと僕は思いますね」
現役引退後も東北人魂の活動をサポートする意向であり、「いつでも手伝いにいけるようにしたいですね」と明かした。