尊敬している後輩が報われてほしい

鹿島は長らくタイトルから遠ざかっている。2016年のJ1、天皇杯獲得からスーパーカップを除いた国内主要タイトルを獲得していない。

現在J1で勝点65で首位と9季ぶりのJ1タイトル奪還まで近づいている。実力だけでなく、精神的支柱として鹿島を支えるFW鈴木優磨の話題になると、遠藤さんは目を細めた。

鹿島をけん引する鈴木

「昔はすごくギラギラしていたし、海外に行くためにアピールをやっていたけど、いまはチームがどうしたら勝てるか、チームのためにすごく犠牲心を払ってやっているところが見える。本当に尊敬している。だからこそ、優勝してほしいという気持ちがあります。(鈴木が)報われてほしいと思います」とエールを送った。

犠牲心を払ってチームを支える。近年そのような選手が少なくなったとプロサッカー関係者からよく耳にする。Jリーグは海外のステップアップリーグという位置づけに、葛藤を覚えるOBも数多くいる。

「鈴木選手のようなチームのために、打算なく尽くす選手が少なくなってきましたね」と、遠藤さんに問うと、鈴木はいまの価値観を変えられるかもしれないと期待を抱いている。

「そういう(チームに尽くす)気持ちは、薄れていますよね。Jリーグは海外に行くためのステップに考えているような選手ばかりだけど、それはそれでいいと思う。海外に行くことが、僕は悪いと思わない。だけど、鹿島は鹿島でしか得られない経験を得られるチームだからこそ、優磨のようなチームのために犠牲を払う選手もいます。

ちゃんと頑張っていれば、海外に絶対いけると僕は思います。誰が見てもこの選手は海外に行くんだろうという活躍をすれば行けると思う。いま優磨がやっているからこそ、優勝してほしい。Jリーグの価値がガラっと変わるんじゃないかなと思いながら僕は観ていますね」

鹿島のリーグ制覇を心から願う遠藤さん

古巣の躍進を見守りながら、後輩たちのタイトル奪還を心から信じている。

「本当に優勝してほしいと思いますね。長くいるメンバーはずっと苦しかったと思うんですよ。 僕も苦しいときに優勝させられなかったからこそ、いまのメンバーで優勝してほしいという思いがすごくありますね。今年タイトルを取って、また 毎年タイトルに絡むような黄金期を作ってほしいですね。いままでは5位、6位で最後は優勝争いがちょっと外れたりするのが多かった。全部のタイトルを取れる選手がそろっていると思うので、Jリーグ、ルヴァンカップ、天皇杯、ACLを取ってほしいですね。そしてクラブワールドカップに行ってほしいです」と期待を寄せた。

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