15シーズンに渡って常勝軍団J1鹿島アントラーズを支え続けた遠藤康さんは、2022年に故郷のプロクラブであるJ2ベガルタ仙台に移籍し、昨季に現役を退いた。

引退後はさまざまな活動に挑戦する男は、何を追い求めているのかー。

Qolyは遠藤さんにインタビューを実施。

第2回は常勝鹿島での15年を振り返った。

(取材・文・構成 宇田春一)

悔しかった3年間

遠藤さんの加入した2007年シーズンの鹿島はサッカー史に残る黄金期を形成していた。3連覇を果たす1年目はリーグ戦2試合出場に留まり、翌シーズンはリーグ戦出場ゼロ、3年目はリーグ戦2試合出場と激しいポジション争いを勝ち抜けなかった。

「外から観ていて、めっちゃ強いと思っていました。優勝したときに自分もあの輪に入りたい、みんなで一緒に喜びたいと思っていましたね。 それができなかったので、すごく悔しかった3年間でしたね」

当時の鹿島は攻守に隙がないメンバーが揃っていた。

黄金期を築いた鹿島イレブン

前線には興梠慎三さん、マルキーニョスと強力無比な2トップが構え、中盤の底には小笠原満男さん、青木剛さんが攻守で奮闘。サイドには野沢拓也さん、本山雅志さんが多彩なアイデアやテクニックでチャンスを創出し、後方には新井場徹さん、大岩剛さん、岩政大樹さん、内田篤人さん、守護神の曽ケ端準さんがゴールに鍵をかけた。若き日の遠藤さんはそうそうたる面々に凄みを感じていた。

「当時はみんなから衝撃を受けましたね。ソガさんもそうですし、イバさん、大樹さん、剛さん、ウッチーもそうだし、満男さんも然り。本さん、野沢拓さん、青木さん、マルキ、慎三さん、(田代)有三さん…全員しっかり覚えているから(笑)。

みんなちゃんと武器がある中で、チームが勝つために汚れ仕事もする。本当にサッカー選手はきれいな世界じゃないんだなと、改めて思いましたね」

偉大な先輩たちから『サッカー選手とは何か』という薫陶を授けられた。