アレックス・ファーガソンやジョゼップ・グアルディオラ、アーセン・ヴェンゲルなどの名監督はそれぞれのクラブに数々のトロフィーをもたらしたほか、ファンに大きな熱狂を与えていた。
しかしながらその一方、選手としては成功を収めた経験を持ちながら、指導の現場では難しい時間を過ごすことになった監督たちも多い。今回は『GMS』から「近年でもっとも最悪だった監督」のワースト5をご紹介する。
テリー・ブッチャー
悲惨な成績に終わったクラブ:ハイバーニアン(スコットランド)
指揮した年:2013年11月12日~2014年6月10日
英国海軍に勤務していた父親のもと、シンガポールで生を受けたテリー・ブッチャー。1976年にイプスウィッチ・タウンへ加入し、後にレンジャーズで長く活躍した名センターバックであった。
ただ、素晴らしい選手が必ずしも偉大な監督になるわけではない。32歳で指導者の道を歩んだブッチャーは、その後コヴェントリー、サンダーランド、マザーウェル、シドニー・オリンピック、ブレントフォード、スコットランド代表(※アシスタントコーチ)を指揮したものの、あまり好成績を収められず。
2009年1月に就任したインヴァーネスではようやく素晴らしい結果を残すことに成功し、2010-11シーズンにはスコティッシュ・プレミアシップで7位という好成績をあげる。
そして2013年11月には同じリーグのハイバーニアンに引き抜かれ、最初の7試合で4勝をあげたものの…時が立つごとに低迷。シーズン最後の18試合ではわずか1勝となり、クラブは2部へと降格してしまった。
トニー・アダムズ
悲惨な成績に終わったクラブ:ポーツマス
指揮した年:2008年10月28日~2009年2月9日
所属した主なクラブ:ウィコム・ワンダラーズ、ガヴァラ、グラナダ
アーセナルの名キャプテンであったトニー・アダムズは、現役引退ののちに大学でスポーツ科学を修め、2003年11月にウィコム・ワンダラーズで指導者としてのデビューを飾る。
当時3部で最下位だったこともあり、監督初年度は降格を経験。4部で2年目のスタートを切ったが17位と低迷してしまい、2004-05シーズンの開幕から3ヶ月あまりで辞任を表明した。
その後フェイエノールトやユトレヒトのアカデミーでの指導やアーセナルのスカウトを経験したと伝えられており、2006年夏にポーツマスのアシスタントコーチに就任。2008年10月にハリー・レドナップ監督がトッテナムに移ったため、アダムズとジョー・ジョーダンが暫定指揮官となった。
その後正式な監督に任命されたものの、指揮した4ヶ月弱でわずか4勝と低迷。トレーニングで選手を指導する際に見せていたダンスのような動きが後に話題になった。