大ケガの影響がどこまで響くか

徳島での活躍もあり、柏でも期待されていたストライカーは、2024年シーズンに横浜FCへと完全移籍した。ただ移籍直後に思わぬ悲劇に襲われた。

同年3月に前十字じん帯を損傷し、この年のシーズンはリーグ戦3試合ゼロ得点に終わってしまった。

今季はリーグ戦2試合ゼロ得点と苦しい状況が続いており、身体能力の高さを売りとする森にとって、前十字じん帯損傷がどこまで大きな悪影響があるのか未知数な部分がある。

過去に前十字じん帯を損傷した選手が「元の動き、プレーができない」と嘆くシーンを多く見てきた筆者は、フィジカルを生かしたプレーで活躍してきた森の復調は簡単ではないと考えている。

またこの懸念点以外にも負傷前から課題とされてきたポストプレーの部分は改善の余地があると見ている。

負傷の影響が心配される森(左)

ボールを収めながら背後からゴールへ向かっていく選手へラストパスを供給するプレーや、相手のマークやプレッシャーを物ともしないボールキープなどは、小森と比較すると見劣りする部分が多い。

ただ非常にクレバーな選手であるため、自身の弱点は理解しているだろう。期限付き移籍で加入した森にとって、この挑戦はプロキャリアにおいて正念場であるため、弱点の克服が求められる。

複数の懸念点は存在するものの、実力の高さと実績は揺るぎないものがある。

柏が大学卒業を待たずしてプロ契約を急いだ逸材は新天地で復活をかけて戦うだろう。千葉サポーターの期待に応えられる実力を発揮してほしい。

次項で千葉の夏季補強を考察する。