ベラルーシ州立経済大での学生生活
東欧の独裁国家のリアルな人々の生活は、意外にも平穏で、日本から遠く離れた地であっても、我々が営む日本での生活と変わらない温かな日常がそこにはあったという。
行方は現在、プロサッカー選手としてプレーするかたわら、ベラルーシ州立経済大の学生として学業に励んでいる。
──ベラルーシ州立経済大ではどのようなことを学んでいますか。
「いまは主に経済学のスペシャリストと、専攻が翻訳家(翻訳通訳学部)なので、言語を学習しています」
──行方選手の大学での様子を少し教えてください。
「大学には留学生の友達が多いです。ロシア語を学ぶときは留学生だけのグループで(授業を)するので、基本的に留学生同士は仲がいいです。もちろんベラルーシ人やロシア人の友達も何人かいます」
──同大学に日本人留学生はいないのでしょうか。
「僕の大学には誰一人いませんね。ほかの大学に日本人留学生が来ていたみたいなんですけど、ウクライナ戦争が始まったタイミングでみんな帰っちゃいました(笑)」
──ミンスクの大学に通いながら郊外のアシポヴィチへチーム練習に行っていた時期は、とても大変だったと思いますが。
「毎日、往復3時間弱ぐらい移動していたので大変でした。そのときは、大学の授業が午前中にあって、練習が午後からだったので、片道1時間ちょっとぐらいの道をチームメイトの車に乗せてもらったり、たまに電車を使ったりして移動していました。
大学の授業に参加できないときもありましたが、大学は僕がサッカーをやっていることを認識してくれているので、チームから大学に(練習や試合に行く)データを出して、僕は(出席できない授業の)代わりとなる課題を提出して出席扱いにしてもらっていました」
──いまの大学での学習を今後の人生にどう生かしていきたいですか。
「遅かれ早かれ、いずれサッカー選手は引退するので、その後は日本で働くと思います。何かしら言語を生かした仕事ができればいいなと」
──2023年からロシア語の(ベラルーシ州立経済大)留学支援事業もされていますよね。
「本格的にやっているわけではありませんが、『もし海外に留学したい人がいればお手伝いします』という感じです。僕を大学に入れてくれたエージェントがやっていて、(僕は)日本人窓口みたいな対応をしています。このご時世なので(ベラルーシ留学に)行きたい人はいませんが、ちらほら質問が集まってきて、それにお答えしています」