行方が感じた東欧の独裁国家でのリアルな日常
2022年2月24日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ・ドンバスでの『特別軍事作戦』の開始を発表し、ロシア軍のウクライナ侵攻が始まった。
両国の隣国であるベラルーシは、自国の領土内にロシア軍を駐留させるなどしてこの戦争に加担しているとされ、国際社会から『ロシアの共同侵略者』と非難を浴びている。
また昨年には二人の日本人が同国で身柄を拘束されるなど、日本人にとっても『危険な国』と印象付けられている。
ベラルーシでの生活が5年目となった行方に、同国での日常について話を伺った。
──日本人にとってベラルーシは『危険な国』というイメージがある人が多いと思います。実際に生活してみて、危険な体験や、隣国間による戦争の影響を受けた体験はされましたか。
「全くないですね。自分の身に危険が及ぶような経験は1度もないです(笑)。
僕自身、いままでいろいろな国に行きましたが、1番生活しやすいというか。逆に治安がめちゃくちゃいいんですよ。それこそ、アウェイから帰ってきてミンスクに着く時間が夜中の1時や2時になる日がありますが、(一人で)道を歩いていてもぜんぜん平気です」
──以前、X(旧Twitter)で、アシポヴィチで銃撃訓練があったという行方選手の投稿を見ましたが。
「たまに大使館からメールが来るんです。それ(銃撃訓練)もアシポヴィチの郊外だったみたいで。もちろん、必要最低限の情報のアンテナは常に張っていますが、僕が実際に危険な経験をしたことはありません」
──ベラルーシはロシア軍のウクライナ侵攻に加担しているとされ、国際社会から経済制裁を科せられました。その影響はありましたか。
「(ウクライナへの)侵攻が始まった当初は近くのスーパーマーケットやレストランでクレジットカードが使えなくなりました。それは僕が実際に影響を受けた経験ですかね。1年弱ぐらい(クレジットカードを)使えませんでしたが、いまはぜんぜん問題なく使えます」
──ベラルーシ人はどのような国民性だと感じられますか。
「けっこうシャイで、日本人に似ている気がします。仲良くなれば外国人らしいフレンドリーなノリなんですけど、知らない人同士だとあまりフレンドリーではないというか。
家の近くにスーパーマーケットがあるんですけど、(従業員が)がんばって勉強した日本語で話してくれたことがありますよ」