リーグ戦の守備崩壊を立て直す

リーグ戦3連敗中は3試合7失点と守備が大きく崩壊していた山形。この日集中力を維持し続けてみせた堅守を、『みちのくダービー』でも継続したい。

西村は「自分たちの自陣で構えて守備をするよりも、相手の陣地で自分たちがボールを保持しながら、リスク管理、相手のカウンターを阻止して、もう一回攻撃する部分は、自分たちの良さにつながると思う。

なるべく相手陣でプレーする時間を長くと意識してプレーしました。より相手陣地でのプレーできる時間帯を長くしたいです。次の試合もできれば自分たちの良さが出ると思います」と意気込んだ。

守れば西村がディフェンスラインを一本線に統率してスペースを消し切り、攻めれば素早いフィードでサイドアタックを活性化させるプレーで鹿児島を圧倒し続けた。

正確かつ鋭いフィードを見せた西村

ただ一方で一瞬の隙を突かれて失点しまった。リーグ戦3連敗期間中のディフェンス陣が崩落するような事態に陥らなかったとはいえ、この試合で見えた課題を修正しなければならない。

「前半からありましたが、自分たちがボールを失った後やロングボールが合わなかったとき、相手のキーパーがキャッチした後に、自分たちがオーガナイズを組むのが少し遅かった。あそこの隙を突かれて(相手に)早く始められる部分があったので、そこの部分はハーフタイムの修正もありました。後半の失点の部分は自分たちのボールロストからでした。

そういうところをもっと突き詰めていかないと、順位上で上に行けない課題があります。(攻撃では)ゴール前に迫るシーンも多かったので、そういう部分を続けていきたい」と修正点を口にした。

昨季は1分1敗と『みちのくダービー』では勝ち星を得られなかった。それだけに今季こそは宿敵から勝利を奪って、ここからJ1復帰に向けた逆襲へとつなげたい。

「ダービーは、ただのリーグ戦の試合じゃないと、みんなが承知しています。それだけ(サポーターの)皆さんの期待も上がると思いますし、ボルテージも上がってくると思うので、自分たちは勝利で応えられるようにしたいです。 仙台戦に向けていい準備をするだけだと思うので、最高の準備をして勝利を届けたいと思います」と2季ぶりの白星を誓った。

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この日見せた山脈を彷彿とさせるディフェンスラインで堅守を形成し、西村を筆頭に『いい守備からいい攻撃』へとつなげて決戦で宿敵から勝ち星を挙げる。

(取材・文・撮影 高橋アオ)

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