千田海人(東京ヴェルディ→鹿島アントラーズ)

鹿島アントラーズが行ったもう一つの重要な補強は、関川の代役として東京ヴェルディから獲得した千田海人だ。

30歳のセンターバックは、神奈川大学から2017年に加入したブラウブリッツ秋田で6シーズンを過ごした遅咲き。2023年に東京ヴェルディへ移籍すると、城福浩監督のもと闘志あふれる守備で台頭した。

チームが16年ぶりにJ1へ復帰した昨季は27試合に出場。ただ、センターバックの層が厚くなった今季は怪我もあり8試合の出場にとどまっていた。

移籍を決断した理由について、「残されたサッカー人生で、鹿島アントラーズでJ1優勝に向けて戦うこと、そしてアジアの舞台で戦えるチャンスを自分に与えていただいたのなら、自分はそれに挑戦したいと思ったからです」と決意を表した千田。新天地でのプレーに注目したい。

小林心(高知ユナイテッドSC→ベガルタ仙台)

「突然」という意味での衝撃度では一番だったかもしれない。

特別登録期間を控えた5月30日、Jリーグが発表した選手登録の追加・変更にて、高知ユナイテッドSCのエースストライカー小林心が、移籍発表がないまま突如登録を抹消されたことは大きな話題となった(その後抹消は削除)。

24歳の小林は2023年に流通経済大学から当時JFLの高知へ加入。今季Jリーグデビューを果たすと、ハットトリックを記録するなどリーグトップの10得点し、4月にはJ3月間MVPを受賞していた。

そんな彼の“誤報”で色々と察したファン・サポーターは多く、6月2日にJ2上位のベガルタ仙台への完全移籍が発表されると、高知の地でJFL時代は働きながら夢を追いかけていた若者に対し、たくさんの温かい言葉やエールが送られていた。