アカデミー、プロで切磋琢磨した“戦友”明本との思い出
森は小学2年のときの2005年に栃木SCサッカースクールに通い始め、そのまま小中高と同クラブのアカデミーでプレーしながらプロを目指した。
元J1浦和レッズの明本とは小学生のときから栃木SCのアカデミーでともにプレーし、大学を経て再び同クラブのトップチームで再会。当時、クラブの生え抜きとして注目を集めた二人はお互いに切磋琢磨した同期であり、現在も栃木SCで育まれた友情は健在だという。
ーー栃木SCでは、明本選手とアカデミー、プロ1年目で同期でしたね。
「(アカデミー時代から)負けず嫌いでしたね。栃木SCアカデミーは栃木県内では強いんですよ。でも関東リーグとか、一歩県外に出るとどうしても実力で劣る部分があって、県内のレベルがまだ足りていない部分を痛感することがたくさんありました。
それこそ(浦和)レッズアカデミーと試合をしても大差で負けてしまうとか。そういう試合でもあいつだけは気を吐くというか、一人で戦っていたと思います。 試合が終わったあとに監督から『戦っていたのはアキ(明本選手のニックネーム)だけだよ』とよく言われていました」
ーーいま欧州でプレーされている明本選手の姿は刺激になっていますか。
「今年はケガをしてしまって、最近は(試合に)出ていないんですけど、僕からしたらまず(プロ入りの)内定先が『栃木SCなの?』と、それくらいの感覚でした。あいつは(全国の)大学から18人くらいしか選ばれないユニバーシアード(当時の大学日本代表)に入っていました。そこに入る選手は、J1に内定する選手が多かったので、(栃木SC入団は)びっくりしました。
(お互いに都内の)国士舘(大)と法政(大)だったので、よく連絡を取っていて、いろいろ話を聞いていました。(明本選手が)『栃木SCに行くよ』と言って『マジ?』みたいな。それで入団からチームを引っ張ってくれました。もうちょっと一緒に残ってくれても良かったんですけど(笑)。でも、(明本が)こっちに帰ってくるときは、アカデミー(出身)の仲がいい友達と一緒にご飯に行きますね」
ーー明本選手は古巣への想いがすごく強いのかなと感じました。
「あいつは移籍してからも、『少しでも(栃木SCを)サポートできないかな』と言ってくれていましたね」
同期の明本との思い出を語る森は、穏やかな語り口で思い出を振り返った。
栃木SCアカデミーを卒業したMFは、その後法政大に進学。Jリーグのアカデミーで育った同選手にとって、同校で培った経験はいまに生きる経験が多かった。