過去にプロから注目された男は可能性を信じている
内垣祥一。東北学生リーグを追っている人間は、一度耳にしたことがある名前かもしれない。2022年シーズンにノースアジア大初となる東北1部得点王に輝いた内野は、北東北では注目を集めたストライカーだった。
抜群のシュート精度、抜け出しのセンス、ゴール前でのキレは一級品であり、秋田県代表として出場した2022年天皇杯1回戦ではJ3福島ユナイテッドFC相手に1-7で大敗するも、前半9分に鋭いドリブルからゴール前へ切り込んで右足でゴールを奪った。
Jリーグ関係者も内垣を注目する人間はいたが、翌シーズン初夏以降から背番号10の名前を聞くことがなくなった。
「高校のときに手術した部分が再発してしまいました」と内垣。
左足首のじん帯損傷という大ケガを負った背番号10はじん帯を再建する手術を受けたという。「同じところを2度手術となると難しいですよね。(大学)3年目は棒に振りました」と悲し気な表情を浮かべた。このケガにより以前あったキレと得点感覚は失われてしまった。
高校卒業後にプロを目指して秋田に渡ったストライカーは「(退任した山本監督の前任の)鍵本勝美監督のときは楽しいサッカーだったんですけど、辞めてしまって、手術も重なって…。2年のときは自分も(プロに)いけるかなと思っていましたけど、(ケガや鍵本監督の退任が重なって)プロは断念する形になりました」と夢を絶たれてしまった。
それでもこの日は劣勢でも泥臭く走り、ゴール前では攻撃のアクセントを作るように前線へパスを供給。隙あらばシュートを打つなど奮闘し続けた。ノースアジア大の背番号10は自分の可能性を諦めていない。
「2年生のときと違って得点力がまったくなくなっていると思います。自分なりに考えて、いまはまだ(新しいプレースタイルが)見つかっていないですけど、努力したいと思っています」と新たなプレースタイルを模索している。
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東京都3部USEサッカー部への内定を勝ち取っている内垣は、恩師である鍵本監督の下で大学卒業後もサッカーを続ける。かつては東北学生サッカー界で注目された点取り屋は、チームの中核としてノースアジア大の1部残留と新たなプレースタイルの獲得を目指している。目標に向けて一歩、一歩、歩みを止めずに内垣は前へ突き進む。