昨季は応援団だった笑顔の守護神

とにかく明るい藤田は富士大でもムードメーカーであり、ロングフィードが風に流されてミスキックになっても笑いに変えてしまうような男だ。そんなチームメイトも観客も笑顔にしてしまう守護神だが、昨季総理大臣杯は第3ゴールキーパーという立場であり、応援団の一員としてチームを支えた。

昨季総理大臣杯で観客席からエールを送ったGK藤田(左端)

「去年は第3GKだったから観客席で応援する形になったんですけど、自分は応援される選手と思っています。率先して応援して、自分らの代で第1GKとして出て応援されて背中で見せられるものがあると思っています。去年の総理大臣杯の観客席の悔しさを糧にいまを頑張っています」

当時はセレッソ大阪U-18時代にJ3出場経験があり、富士大を初の全国制覇へと導いたGK折口輝樹(現・JFLヴィアティン三重)、高精度キックを武器に名門日章学園高で正守護神として高校選手権に出場したGK福山智仁(現・日章学園中コーチ)と分厚過ぎる壁が在籍していたため、藤田は全国大会で躍進するイレブンを客席から応援することしかできなかった。

昨年全国制覇に導いたGK折口

「オリにもストロングがあって、フクちゃんにもストロングがあって、自分にも強い部分がある。オリとフクちゃんとストロングで競争したら勝てる部分と勝てない部分がある。去年は自分の武器をしっかり伸ばすことを取り組んでいました」

腐らず、ポジティブに、ひた向きに練習してきたからこそ藤田は正守護神の座を勝ち取った。いまは富士大イレブンから信頼される選手としてゴールマウスを死守している。