この戦いで失うものはない

終始穏やかに淡々と話す宮城だが、言葉の節々に燃えたぎるほどの闘争心と得点への意欲を感じることができた。J1復帰を果たすには目の前の試合を確実に勝利していかなければならない。若干22歳のアタッカーはその本質をよく理解していた。

――J1昇格POで戦う清水の印象を教えてください

清水エスパルスは長くJ1にいましたし、個人のレベルもすごく高いと思う。自分もフロンターレのときにやっていたので分かるところが多いです。

攻撃的にきてくれるので、自分たちとしては点を取るしかない状況の部分では、引いて守られるより、清水みたいに攻撃で圧倒しようとしてくるチームのほうがやりやすかったりします。やりやすい部分がありますね。前回アウェイで自分は出ていませんでしたけど、立ち上がりからいい戦いができたうえで、0-3でした。前回の戦いでは力負けしている印象があったので、そこを考慮したら戦い方もしっかり考えないと簡単には勝てない相手なのかなと思います。

――自身の強みを活かして、清水戦をどう勝ちに持っていきたいですか。

スタメン、途中と役割は違いますけど、「一戦必勝」の戦い方なので、自分は何回もチャレンジして脅威を与え続けることしかできないですね。

サッカーはメンタルスポーツなので、相手はプレッシャーもあると思う。自分が出たことによってドリブル突破や、裏を取るプレーと、そういう部分を出し続けて確実に押し下げることで、チームにいい影響が生まれると思う。そういう部分で自分は脅威になり続けたいと思います。

――連戦です。ほぼ勝たなければ突破できない状況になりますけど、J1復帰に向けての意気込みを教えてください。

1試合、1試合勝てばJ1に行ける。J1に昇格するためという感覚で自分はやってきたつもりはなくて、自分は1試合、1試合「負けたくない」という気持ちでやってきた結果、その1試合に全力を注いで逆転勝利が終盤に起こりました。

自分が出ている試合はそういう場面が多かった。清水のようなJ1にずっといたチームは「上がらなきゃ」という気持ちでやってきてすごくプレッシャーがあると思いますけど、自分たちはチャレンジャーとして他の周りの人もみんな言っていますけど、「失うものはない」という気持ちを。

J1、J1と言っていてもまだ、そこの道、そこの景色とか分からない部分もあります。PO決勝になったらそういうことは考えるべきで、まだ目の前の1戦を自分たち一人、一人がどれだけ最大限の力を出せるかということにシフトしたほうが確実にいいパワーを生むと思う。J1昇格と言うより自分ができる最高のパフォーマンスをするイメージですね。