J1昇格プレーオフ出場権を巡る争いが激しさを増す明治安田生命J2リーグ。終盤戦で最も勢いのあるチームが、5位まで浮上してきたジェフユナイテッド千葉だ。

ヘッドコーチから昇格した小林慶行監督が指揮を執る今季は、2節から8戦勝ちなし(3分5敗)と大いに苦しみ、順位を一時は21位まで落とした。

その後もなかなか浮上できずにいたが、第26節・清水エスパルス戦(2-2のドロー)&第27節・町田ゼルビア戦(3-1で勝利)から徐々に追い風が吹き始め、第31~37節には怒涛の7連勝を記録した。

なぜ、千葉は突如として勝ち始めたのか。驚異的な追い上げを支えるダブルボランチの働きぶり、そして攻撃時に<4-3-3>へ変化する意図を、小林監督が影響を受けた指導者の存在から読み解いた。

直近5試合の基本システム

まずは、直近のリーグ戦5試合での基本システムおよびメンバーを見ていこう。

守護神はレギュラーの座を奪った鈴木椋大で、4バックは右から得点力を自身のプレーの特徴に挙げる髙橋壱晟、守備の要である鈴木大輔、左足のフィードも光る佐々木翔悟、積極的な攻撃参加を武器とする日高大の4人。

センターバックは新井一耀とメンデスの実力者2名も控えており、選手層の厚さはリーグ屈指だ。

ダブルボランチは、攻守の中心である田口泰士と今季はボランチを主戦場とする見木友哉のコンビ。守備力を高めたい局面では、小林祐介が頼りになる。

様々なタレントが揃う2列目は、右からロングスローでもチャンスメイクする田中和樹、確かなテクニックで攻撃をリードする風間宏矢、一発の怖さがあるドゥドゥという組み合わせ。

正確なクロスが強みの米倉恒貴、攻守で計算が立つ福満隆貴、熟練のドリブラー・高木俊幸ら異なる特長を持つアタッカーたちが、後半途中から流れを変える存在となっている。

1トップは、直近リーグ戦5試合で3ゴールと好調の呉屋大翔とチームトップのリーグ戦12得点を記録している小森飛絢が、文字通り熾烈なポジション争いを展開中。

第34節・ブラウブリッツ秋田戦と第38節・水戸ホーリーホック戦では、後半途中から両者を共存させる形が採用されている。