移籍報道のメリットとデメリット
一方で人事情報をリリースより先に出すことはクラブにとってメリットがあるのだろうか。仮にニュース記事になった場合は、リリース後の加入記事より加入選手を大きく宣伝することができる。そして注目度もリリース後の記事より高いため、新聞やTVを使ってクラブの認知度を上げることができる。
ただしデメリットも存在する。例えば交渉中にニュース記事によって情報が漏れた場合は、他クラブからの横やりが入る場合もあれば、移籍情報が漏れたことにより移籍交渉が破断したケースは数多くある。
近年は報道媒体の購読数低下や視聴率低下により、広告効果は以前より少なくなったと見られている。そのためクラブからすれば、ニュース記事を掲載されるメリットは少なくなってきたため、情報漏洩対策の強化や掲載拒否のケースが増えつつあるという。
なぜ飛ばし記事は発生するのか
よくこの時期は「飛ばし記事」という言葉を目にすることがある。この飛ばし記事は、根も葉もない実現可能性がほぼゼロ%の情報を元にした記事を指す。ではなぜかの飛ばし記事が世に出てくるのかというと、2つの理由を推測できる。
1つは話題性があるトピックのため、実現可能性が低いと分かっていても載せるケースだ。この場合世界的な選手が日本のクラブに興味を示している又は売り込んでいるといった根拠のない噂がソースになっていることが多い。話題先行になるトピックのため、実現可能性が仮に低かったとしても載せてしまうことが多々あるという。飛ばし記事の大半はこのケースだ。
2つ目は記者の実力不足だ。ニュースソースの真偽が判別できない場合は掲載してはいけないのだが、まれに経験不足な記者が誤って掲載してしまうケースがある。それもクラブに確認を取らずに…。その場合は完全に媒体の責任になるため、2つ目のケースは報道媒体からすれば発生してはならない事案だ。