哲学と後出しじゃんけん
――山形を最終的にどのようなチームに仕上げたいか
監督のオファーをシーズン中に頂いたとき、「どういう方向性で行くの?」、「何で僕が選ばれたの?」と強化部の方とお話をさせていただきました。
その中で、クラブがいまずっとトライをしている攻撃的に行く部分、攻守において主導権を握るとか、そういったものは漏らさずにやっていきたいと。
そういうものの考え方の上で、「渡邉さんお願いします」という話だった。僕はそれに共感したからこそ、いまがあると思っている。そういったクラブとしてのフィロソフィーは外さずにやっていこうと思っています。
ただ自分たちが「こうやりたい」とか、自分たちのプレースタイルだけで勝てるほど甘くない。当然、自分たちが立ち返る場所として「俺たちはこういうものを目指しているよね」とか、「こういうものが武器だよね」というものは持ってなければいけない。
その幹を太くする作業プラス、枝葉をしっかりと増やしていくのは必要だなと思っている。
より多く武器を持ちたいと思っています。
相手がこういうふうにしてきたから、それでも「俺たちは、この1個の武器でやり続けるんだ」じゃなくて、やっぱり相手が違うことをしてくれば、じゃあ「俺たちは、こんな手を持っていますよ」とか、「今度こんな手もありますよ」とか、そういうものを選べるような。
最近俗にいう後出しジャンケンとみんな言うけど、そういうものを全ての局面で攻守においてやれるようにしていきたいと思います。結果的に「あれ?山形って色なくなっちゃったの?」と、もしかしたら思われるかもしれない。そう思う人が出てくるかもしれないけど、それで勝ち続けることがでれば、僕はそっちの方がいいと思います。