かつてリヴァプールで活躍した名選手ジョン・バーンズ氏が、欧州における黒人監督への差別について訴えたという。
バーンズはワトフォードやリヴァプールで長くアタッカーとして活躍し、イングランド代表としても79試合に出場するなど中心的な存在になった選手。
1999年に引退後は指導者の道を歩み、そのままセルティックの監督に就任。成績はそれほど悪くはなかったものの、カップ戦でインヴァネスに敗れたことをきっかけに8ヶ月で解任されてしまった。
その後はジャマイカ代表とトランメア・ローヴァーズで指揮をとったものの、2009年以降は解説者としてメディアで活動している。
『Daily Mail』によれば、彼は今回『Up Front with Simon Jordan』で以下のように話し、黒人の指導者に対する信頼が乏しすぎると訴えたそう。
ジョン・バーンズ
「私はグラスゴー・レンジャーズでのスティーヴン・ジェラード監督より勝率が良かった。そう言ったらどう思う?なぜ私はセルティックで長く仕事を続けられなかったのだろうか。
どうやら私がセルティックで記録した勝率65%はあまり高くはないらしい。
しかしスティーヴン・ジェラードがレンジャーズで勝率64%だったのは素晴らしいものであるらしく、アストン・ヴィラでの仕事を得るに至った。
経験の有無、そしてジェラードが仕事を得るべきだったかどうかは関係ない。それが悪くないという人がいるのが驚きだ。
私はフランク・ランパードのことを愛しているが、彼の記録を見て『もしランパードが黒人だったら、同じようなチャンスが与えられると思うか?』と聞きたいね。
サッカーでは、会長が監督を解任するのではなく、おおよそはファンの圧力が監督を解任させるのだ。
なぜサッカーファンは白人の監督よりも黒人の監督への信頼を失うのが早いのか。それは黒人のリーダーシップの素質に対する認識によるものだろうか」
なお『Daily Mail』によれば、現在イングランドのサッカー界で監督を務めている人物のうち、黒人なのは4.4%のみであるとのこと。
その数少ない黒人のなかでパトリック・ヴィエラとポール・インスはそれぞれクリスタル・パレスとレディングを今季解任されている。
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2部に当たるフットボールリーグ・チャンピオンシップを優勝したバーンリーではヴァンサン・コンパニが監督を務めているが、今季のイングランド・プレミアリーグでは黒人の指揮官はゼロとなっている。