――欧州で日本人ストライカーが点を取る難しさがよく話題になりますが、和久井さん視点でどこが難しかったですか。

 得点を決めるという意味で一つ言えることがあるとしたら、(日本人選手は欧州リーグの)自国の選手じゃないだけに可能性がたくさんあるんですけど。ただそこに至らない点があって、その至らない点は(チーム内の)信頼の部分になってくると思います。

個人の能力とかスキルで得点を取れる選手は日本人にいっぱいいると思っています。1桁後半から2桁の後半に向かっていくフェーズの中では、チームの立ち位置がかなり影響を受けてくるかなと思います。

――日本人ストライカーが欧州で点を取るために必要な具体的な技術と条件など具体的に教えてください。

僕が長年やってきた中で感じた部分というところでいえば、現地人のようにならないっていうのが重要な点と思っています。 

現地の選手になろうとすれば、なろうとするほど点数が上げにくくなるのはあるかなと思います。得点ランキング上位に入っている選手は自国の選手じゃないので、現地の選手が持っている気質だったりとか、(現地の)サッカーの環境の中でさらに優れた選手が得点王になっていると思うんですよね。

自国の選手の中でも違いのある選手が、トップスコアラーに名を連ねている。

例えばドイツやスペインでもそうですけど、どのリーグに行っても現地の選手と同じようなプレーヤーになることは避けた方がいい。むしろそうなると、スコアラーから離れていく。自分のオプションを出すというのがまず一つかなと思います