―地域活性化・地方創生を考えると、進学などにより地元から離れる人への対応なども重要な要素だと思われます。そのあたりはどうでしょうか。
チームサイドからそういう教育関連ですとか、そういう取り組みはできないかとかいう話は出ています。なので、ギラコインを展開していく上で思ったのは、ファントークンなどとはかけ離れてしまうのですけれども、教育などの地域課題に対して話が出るケースは多いです。これからはそう言った部分も一緒に取り組んでいけるとより良さそうだと感じています。
―商業にとどまらず、いろいろな分野に波及していければということでしょうか。
そうですね。利用者の目に直接触れる部分では、ファントークンという見え方になっています。ですが、あまり表に出てこない部分では、そのような取り組みも行っています。
―ギラコインに対するファンや選手からの評判はどうですか。
まだ選手の方から声をいただいたことはないのですけれども、ファンの方々からの反応は想像以上にいいです。
―それは、コロナ禍などでクラブの状況があまりよくないので助けようという意味合いが含まれているのでしょうか。それとも、新しい試みだから試してみたいというものもあるのでしょうか。
新しい試みというのもあると思います。ですが、ファンの方からも地域の方からも、実際にものを買ったときに、その購入金額のパーセントがチームに還元される、地域の何かしらの活性化につながることはどんどんやりたいという声を多くいただいています。逆に、還元されないものというのは、便利だから使っているという声が多いです。なので、地域にきちんと還元して循環させるということを、そもそも求めていたのだろうなというような感じです。
―今後ギラコインを使ってやりたいキャンペーンやイベントはありますか。
海外で行われていた方法を日本向けにアレンジしたものを考えています。例えば、100万ギラコインみたいなプールを使って、ユーザーの方がブログを書いた、動画をつくって投稿したなどの、ある一定の条件を満たすと 100ギラコインずつがプールから自動的に渡されていくというようなキャンペーンをやっていきたいと思っています。
私が海外でマーケティングをしていたときにはその手法が一番強力でしたので、そういうのはどんどんやっていきたいなと思っています。あとは、リツイートやフォローなどでおすすめしたら何ギラコインをあげますといったものを平日ずっと実施するなど、途切れのないようなキャンペーンをやっていきたいなと思っています。
―プールするキャンペーンですが、資金は御社が負担するのでしょうか。それとも、地域の店舗からの依頼で動くのでしょうか。
基本的には弊社側で行うので、原資は弊社側です。ユーザー獲得単価みたいなものを設定しているので、その範囲内でやっていくという形です。ただし、これは弊社のユーザー獲得の目線で行うものです。
この仕組み自体は、チームにスポンサードしている企業さんの販促キャンペーン用にカスタマイズすることも考えています。例えば、企業さんの名前をつけたファントークンをプールして参加型のキャンペーンできるような開発を今やっています。
【後編まとめ】
チームを強化するにあたって、地元自治体との関係強化は欠かせない要素だ。チームと自治体との関係が、ファンの目から直接見える場面は少ない。
しかし、クラブやスタジアム運営、あるいは選手やその家族の過ごしやすさといった部分は、地元自治体との協力の上で成り立っている。ギラコインを通じて、ギラヴァンツ北九州と北九州市との関係が強化されていけば、チーム力向上につながっていくだろう。
【Qolyインタビュー】パリ五輪出場の東京ヴェルディMF山田楓喜、トッテナムのクルゼフスキを「自分の究極系」と語るワケ