岡田武史の“スゴイ”ところ
宮崎: それで一人当たり友達を何人作るみたいな話が過去のインタビューにあったんですね。
中島:はい。当時はみんな夜中まで働いて、「どうしたら人が来てくれるんだろうか」と頭を悩ませていました。
そんな時、岡田さんがふと「お前ら、今治に友達いるのか?」と聞いてきました。「外からきた俺たちが事務所にこもってここでどうこう言ってても無理だよ。お前らが自分で今治の街に出て行って友達を作らないといけない」と。
それから私も岡田さんもスタッフも、車の後部座席の窓ガラスにポスターを貼って走ったり、市役所にチラシを配りに行ったり、造船やタオル産業を中心に地元企業の朝礼や食堂でみなさんにご挨拶させていただいたり。
私個人でも、地元の方が集まるフットサルに行って、そこにはサッカー好きの子供が集まっているので「私、FC今治のスタッフなんですけど…」と話をしたりもしました。
自分たちが町に出て行かないといけないという気持ちを改めて確認して、それが噂の「友達作戦」になりました。
外から来た奴らがどんなに頭をひねったって何も変わらない。結局、人間と人間の付き合いで地域はできているので、動く気持ちを出す、人に会いに行く・話すってことでしか変わらないから、自分たちから動けということですね。
――そこは岡田さんらしいですよね。理論家のように見えますけど、「最後は根性」みたいな。
中島:はい。私が一緒に仕事をしていて岡田さんはすごいなと思うところは沢山あります。
例えば誰でも理想は語れますよね。だけど現実的にどう、この岩を動かせばいいかというところに関しては、圧倒的に鋭い解も岡田さんは持っていると思います。理想を語るだけ、現実にやるだけというのは簡単ですが、岡田さんは両方が同時に見えていると感じています。
岡田さんの話を聞くとみんな「スゲー」ってなりますが、それだけじゃなくて、現実的に動かさないといけないものの順番をきちんと岡田さんなりに把握していて、それを私たちみたいなスタッフに企業理念という軸を通した上で一生懸命伝える手段を持っていると思います。
その言葉は岡田さんなりのオリジナルの言葉なので、「あっ、もしかするとこうやっていけばいけるかもしれない」と私たちも鼓舞されます。
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