乾貴士(3票)
ロシアの地で輝きを放ったアタッカーを年間MVPに推したい。
グループステージのセネガル戦では見事なコントロールショットで酔わせ、ラウンド16のベルギー戦では名手クルトワの牙城を崩す無回転ミドルで夢を見せてくれた。
乾の活躍なくして、日本の躍進もなかっただろう。ベティスで存在感を発揮し、 “森保ジャパン”でも小気味良いドリブルで沸かせて欲しいところだ。
(選定者:ロッシ)
あのベルギー戦でのゴールは本物のワールドクラス。
試合結果は本当に残念だったが、クルトワを破ったあのスーパーミドルは、日本サッカーが新たなステージに上がった事を世界に宣言してくれる一撃だった。
大会直前のシステム変更という決断を下せた西野監督と、それで控えに回っても腐らなかった本田圭佑にも特別賞を。
(選定者:駒場野/中西 正紀)
乾は西野監督に代わってサプライズ招集され、大会後は一度も招集されていない。いわばワールドカップで活躍しただけなのであるが、それでも彼がいなければ現在の“好景気”な日本代表は存在し得なかっただろう。
黄金世代の集大成だった2006年大会、過去最強とも考えられたザックジャパンの2014年大会と、自分たちが主導権を握ることを掲げたサッカーで無残に散った日本サッカー界は、これまで歩んできた過程そのものを否定されかねない状況にあった。
いや、されていたに等しい。
しかし西野監督の代表チームはこれまでの歩みを踏襲しながら、日本人でも、アジアのチームであってもただひたすら耐えるだけではなく、あれほど魅力的なサッカーを大きな舞台でできるという確かな足跡を残したのである。
そうして考えると、その大会で最も活躍したのが、平均的な日本人よりもさらに小さい乾であったのは象徴的だったと言える。このことがどれほど子供たちや私たちファン、現場の人間を勇気づけたか計り知れない。彼がやってのけたことは、目に見える数字以上の価値がある。
(選定者:編集部H)