再び訪れた悪夢
日本がウルグアイとの一戦で許した3失点目は、中盤の攻防からボールがロドリゲスに流れ、自ら起点となってのショートカウンターからゴールまで結び付けたものであったが、筆者はこの失点シーンを、青山の対応次第で回避できた可能性があったものだと捉えている。
まず、ロドリゲスにボールに触れた時点で青山の後ろには3人しかおらず、対するウルグアイはロドリゲスを含めて3人であった。この数的優位性を活かせず、そのままボールを自陣深くまで運ばれてはピンチに陥ることは誰が見ても明白な状況だ。
つまり、「プロフェッショナルファウル」を辞さないプレーが求められるところであったが、ロドリゲスに対して青山が行ったチェック(当たり)は決して厳しいものではなかった。
ここでロドリゲスを確実に潰してさえいれば、ウルグアイの攻撃進行は確実に止まっていただろう。それだけにこの青山の対応には疑問が残る。
また、それはロドリゲスへのチェック後に青山が取った行動も然りだ。
自身がかわされた後に、ロドリゲスからペレイロ、カバーニとパスが繋がる中、ボールホルダー周辺へのポジション移動を優先。
しかし、最終的にどのエリアでも相手にプレッシャーを与えられず、ファーサイドからペナルティエリアに進入したロドリゲスにカバーニからボールが渡り、そのままゴールへと繋がってしまった。
結果論ではあるが、残念ながらこの青山の判断は「全く効果を生まなかった」と言わざるを得ないだろう。
「相手のカウンターアタックをいかにして食い止めるか」は、日本がW杯の舞台でベルギー相手に突きつけられた課題の一つである。
あの試合では(偶然にも今回のテーマの中心であるボランチと同じポジションの)山口蛍の対応が議論の的になったが、この失点シーンも同様に指摘されてもおかしくないものであった。
少なくともベルギー戦でのそれに比べて、回避できる余地がいくつも残されていたシチュエーションであるからなおさらだ。
とりわけ決定機を許しかねないシーンでの対応は一歩間違えると、失点へと繋がるものばかりであり、W杯でベスト8以上を目指す上で越えなくてはならないチームが相手となればその危険度は極めて高い。
日本がトップオブトップと渡り合う上で「一対一の対応」の向上は求められることから、この能力に秀でた選手が重宝される流れとなる可能性も考えられるだろう。
今後のボランチ陣の選考は非常に興味深いものになるかもしれない。