ーーそして、今冬に現在のFFヤロに入団したわけですね。

いえ、その後セルビアへトライアウトを受けに行きました。

と言うのも、モンテネグロの国内カップ戦でベスト4まで進出したことがきっかけで隣国セルビアのFKボラツというクラブが興味を示してくれて。2部のチームがベスト4まで駒を進めたのはモンテネグロ史上初のことで、準々決勝がTV放映されたのも大きかったみたいです。

セルビアは西欧のスカウトも見に来るくらい注目度が高く、自分みたいな実績のない選手がステップアップするにはぴったりの場所。しかも1部のチームだったので、(FKイガロとの)契約が切れるとすぐにセルビアに飛びました。

けれど、トライアウトの初日で右膝を痛めてしまって、契約には至らなかったんです。それが1月のことで、移籍期限も間近で焦っていたんですけど、そのチームで自分を気に入ってくれていた選手がFFヤロに移るというので、自分がトライアウトを受けられるようにヤロに掛け合ってくれました。

フィンランドは移籍期限が他国よりも遅く(今冬は1月17日から4月10日まで)、トライアウトを経てからでも移籍可能だったんです。

ーー無事トライアウトに合格してFFヤロに入団されたわけですが、フィンランドのサッカーにどのような印象を抱いていますか?

技術が高くてパススピードが速い、とにかくスピーディーで。メキシコ1部で何年もやっていた選手でも驚いているくらいです。

今はポジションがトップ下気味のインサイドハーフなので、攻撃の面で求められていることが多いですね。攻撃で意識しなきゃいけないことが増えました。

おかげで中高時代みたいに、モンテネグロにいた時の「守備への意識」とフィンランドでの「攻撃への意識」がいい感じに自分の中でミックスされるようになりましたね。