——それは、「デュエル」ができるということでしょうか?

よく「デュエルができる」って言葉が使われますけど、日本で言われるデュエルと欧州で考えられているデュエルは意味合いが異なります。欧州と日本では、球際の部分が大きく変わります。Jリーグは欧州と比べると明らかに球際が緩い。

例えば、ヘディングの競り合いをするとします。190cmぐらいの選手が来たら、大概の日本人選手は競りに行くことをしないと思います。だけど、海外なら160cmぐらいの選手が関係なく190cmの選手に飛び込んでいきますからね!そういうところで戦えなかったら選手として勝負できないと彼らは小さいころから自覚しているので。日本人選手は体格差を違う部分で、どうカバーするのかに頭が回ると思うんですよ。

海外だとシュートを決められそうな場面で、相手選手が頑張って足を伸ばすシーンがあります。さっき言ったような190cmの選手が相手でも、簡単にヘディングをさせないようにぶつかりにいくのと、簡単にヘディングさせてボールを奪いに行くのとではわけが違う。競りに行ったことで何かが起こるかもしれないじゃないですか。そのプレーで相手のミスを誘発できるかもしれない。

その戦う姿勢を一瞬ではなく、常に試合や練習でも毎日やり続けることが重要なんですよ。それを常に続けることで届かなかったボールにも届くようになるので、そうなればさらなる成長も見込めます。そういった戦う姿勢が「デュエル」だと思います。

もちろん、日本にも日本の良さがあります。ただ、海外でプレーしている選手たちはデュエルができるから、Jリーグでプレーしている選手よりも選ばれる傾向にあると少し思っています。

今回、加藤選手が代表に選ばれました。もしかしたら彼よりテクニックが巧みなプレーヤーや、上手くプレーできる選手はいると思いますけど、外国人と戦っている経験値は加藤選手のほうがあります。彼の戦う姿勢は、他の日本人選手と比べたら明確な違いがあると考えています。

——最後に、赤星選手が抱く代表への想いをお聞かせください。

もともと僕は、代表に対してあまり執着はありません。より、良いリーグへ行きたいという個人の成長がメインでした。今は長くプレーすることを目標にしています。人によって目標は違うと思いますけど、多くの選手たちにとって代表は大きな目標です。東欧からプレーしている選手が代表に選ばれたことは新しい歴史を刻んだと思います。それが日本にとって、プラスになっていければ。特にこれを機に色んな国でプレーしている選手が高いモチベーションを持って、より成長していける傾向ができればなお良いですね。一選手としては、今後東欧でプレーする選手が増えていけば嬉しいです。

日本人の欧州移籍がポピュラーになる前から、東欧でプレーした赤星貴文選手やルーマニアの瀬戸貴幸選手は、偉大な軌跡を残してきた。そして、代表に選出された加藤恒平選手がピッチに立つ時、我々は歴史が変わる瞬間に立ち会うことになる。この軌跡が新たな選手たちに受け継がれ、日本サッカーの行く末に寄与していくだろう。

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