——赤星選手はポーランドで合計5シーズン過ごしました。ポーランドと日本ではプレースタイルが異なります。明確な差などはありましたか?

ポーランド人と比べたら日本人との体格に差があるので、フィジカルの面では違いがありましたね。Jリーグは技術や早い判断力が求められるリーグだと思います。ポーランドはプレーヤーの体格が大きいので、スピード感よりもフィジカルの要素が強い。

——日本人選手の長所である判断力の早さや高い技術力は、東欧でも武器になりますか?

そうですね。今挙げられた長所は東欧でプレーするのに重要になってくるでしょう。日本人選手は簡単にボールを奪われないプレーができます。加藤選手もそうだと思いますけど、シンプルにミスなくプレーすることが重要になってくる。

どうしても体格差があるので、フィジカルコンタクトで勝つのは難しい。チームのためにボールロストをしないプレーや、献身的にボールを奪いにいく姿勢は日本人選手が優れています。チームメイトを気遣うようなプレーをできるので、そういったプレーは「いぶし銀」とも言われることがあります。そういった選手たちが生き残りやすいでしょうね。海外の人たちも日本人選手をそういったイメージを持っていると思いますよ。印象としては「エンジン」と言うよりは「歯車」と言った感じに。

例えば、僕はパス捌きやアシストを狙う攻撃的なプレーを求められていました。ポジションによってタイプは違いますけど、攻撃的MFだった僕は1人で局面を打開することがなかったと思います。多くの日本人選手は、自分の組むパートナーや連携する選手のクオリティが高ければ、より活躍する傾向にあります。周りに「良いフォワード」がいれば、アシストが増えるといったように。

——「歯車」と言われましたが、加藤選手も「歯車」的な一面はあるのでしょうか?例えばフィジカルに長けた選手がプレッシャーをかけに行って、相手がかわしに行ったところを加藤選手がボールを奪うようなプレーをするといったように。

どうだろう。でも、彼なら一枚目で行くパターンもあるんじゃないかな。それが評価されていると思いますよ。カバーするように二枚目で現れるパターンは、一般的な日本人選手ですよね?加藤選手と他の選手との違いは、一枚目で行けるか行けないか、という点だと考えています。

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