アントニオ・バレンシア
「未来がどうなるかはわからなかったが、ただサッカーがやりたかった。それが自分の考えていたことであり、他には何もなかった。
昨日のことのように思い出せるよ。これはまだ自分のモチベーションになっている。記憶の中にいつも刻まれているよ。
練習場に到着したときのことを覚えている。寮には2段ベッドがあった。他の子が『何か必要?』と聞いてきて、幾つかのシーツを僕にくれた。多くの仲間もサポートしてくれた。それが最初の夜に起こったことで、僕は決してそれを忘れないよ」
(最近クラブがエクアドルの取材に行って、君は『サボテンの間を走るジャガーのようだ』と言われていたこともわかった。最初のスパイクもそこでもらった?)
「白いアディダスのペアだったね。その前には僕はゴム底の靴しか持っていなかったんだ。
エル・ナシオナルは軍隊のチームだから、フィットネスコーチは佐官だった。練習場を管理していた人は大尉だったね。
だから朝6時半には起きてベッドを整え、全てを綺麗に整理する必要があった。1部屋に15個のベッドがあったよ。
そして規律は非常に厳しかったね。守れなかったこともあるけど。しかし、イングランドに来てそれが役に立ったよ。
いろいろな準備ができていたから、ここに来たときもその点では何の問題もなかった」
「軍隊」が役に立った?A・バレンシアの成り上がりエピソード
Text by 石井彰(編集部)
カズに憧れて全身赤のスーツを買ったことで校内一の人気者になったが、中身が伴わず一発屋で終わったというエピソードを持つ島根県出身のエディター。その影響か赤いチームを好み、ヴァランシエンヌ、レイションエス、ノッティンガム・フォレストなどを応援している。
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