シャペコエンセ
1973年創設されたシャペコエンセは、1978、79年に1部リーグで戦って以降は長く下部リーグを低迷した。
彼らは本拠地とするサンタカタリーナ州のなかでも有力な存在ではなかったものの、(「ニッケイ新聞」によれば)2008年に地元企業がチームへの出資を決め、健全な経営方針を持ち込んで以降に躍進が始まったのだという。
2009年に4部リーグにいたが、数年で3部、2部と上がり、2014年に36年ぶりとなる1部復帰。以降、3年連続での残留を果たしている。
ローカル選手権のタイトルこそ持つものの、全国選手権では下部リーグでさえ優勝経験がない。そんな彼らが今年、南米の国際大会でリベルタドーレスの次に権威のあるコパ・スダメリカーナの決勝にまで進んだことは、まさに「小さな町の奇跡」であったと言えるだろう。
ブラジルではクラブ間の対抗意識が強く、熱狂的なサポーターの多くがライバルの失敗を願うものだ。しかし“シャペ”は歴史も浅く、ブラジル中が彼らを「セカンドチーム」に位置づけ、快進撃を応援したのだという。
クラブをここまで導いた“英雄”たちは決勝を戦うことなく夜空の星となってしまったが、今、彼らは国内だけではなく世界中から愛される存在となった。