UAEの強みは?

したがって、UAEの強みというのも変わらない。最も怖いのは前線の絶対的な「トライアングル」である。

司令塔を務める「天才」オーマル・アブドゥラフマンは、欧州への移籍という夢こそなかなか実現せずに苦しんではいるが、その能力は折り紙つきだ。

誰も気づかないようなタイミングで味方の動きを捉える圧倒的な視野の広さ。そこにしっかりボールを送れる正確無比の左足。そして時に自分でもゴールを決められる打開力。

近年はなかなか独力でゴールを奪うようなプレーを挑むことはなくなってきたが、チームにチャンスをもたらす能力としてはアジアでも指折りの存在だ。このところは無回転気味のドロップFKまで見せるようになり、その技術をますます高めている。

前線の柱であるアハマド・ハリルは、圧倒的なフィジカルで存在感を発揮する。身長こそそれほど高くはないが、豊かなジャンプ力と強烈なキック、そして豪快なランでディフェンスを混乱に陥れる。

UAEでは後方からのパスを当てる存在として貴重な存在であり、ゴールスコアラーとしての役割以上に貢献できる。ただ、このところアル・アハリでは絶対的な存在ではなくなっており、クラブでは正念場を迎えている。

そして何より、このUAE最大の得点源といえるのが、日本戦でも見事な得点を決めたアリ・マブフートである。ちなみに編集部Kは彼のファンであるが、明日だけは活躍しないで欲しいところ。

圧倒的なスピードを活かしたスペースへの飛び出し、そして巧みなシュートから得点を量産するUAE最高のセカンドストライカーだ。先日の北朝鮮戦ではおもいっきり退場してしまったが、供給源のオーマル、ポスト役のハリル、そしてそれを決めるのはこのマブフートにほかならない。

昨季のリーグでは23試合の出場で23ゴール。あのトリニダード・トバゴ代表FWケンワイン・ジョーンズをベンチに追いやり、アル・ジャジーラでも絶対的な存在感を発揮している。

もう一人注目するとすれば、ボランチのハミス・イスマイールだろうか。彼はそれほどこのチームで目立ってくるようなタイプではないが、時に強烈なミドルシュートやフリーキックでゴールを狙ってくる長距離砲だ。

日本が守るような状況になった時には、彼の右足は危険なものになるだろう。プレッシャーを怠らないよう注意したいところだ(何様なんだ…)。

さあアジアカップのリベンジだ! 日本代表対UAE代表は明日、9月1日の19時35分にキックオフを迎える。白星でスタートを切ることができるように、みんなで応援しよう!

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