最新テクノロジーで練習管理!?
そもそも、ナーゲルスマンの招聘は来シーズンに就任が決定していた。これは、メインスポンサーのSAPとの連携を強める狙いがあった。ホッフェンハイムはラングニック就任時から、ITを用いた練習を徹底してきた。その後、技術の進歩により画期的な練習施設をSAPと協同で開発した経緯がある。その中で、有名な2つのテクノロジーを紹介する。
フットボナウト(Footbonaut)
四方の装置から発射されるボールを正確にトラップし、ランプがついた穴にボールを入れるシステム。この施設を用いた練習で、瞬発力、判断力、パス精度、トラップを鍛えることを目的としている。
ヘリックス(Helix)
180度の巨大スクリーンに映し出される選手を見ながら、ポジショニングやオフサイドポジションなどを見分ける能力を養うシステム。これによって、空間認知能力や瞬時に状況を判断する力などを育成する。
これらの施設やシステムを管理し、運用できる人材を監督に就任させる意向を示したのがホップである。
ディートマー・ホップ
「現時点でチャンピオンズリーグやドイツ王者になることは考えていません。バイエルン、シャルケ、ドルトムントに加えて他の強豪チームもいます。そんなことを言ったら、精神病院に行けと笑われるでしょうね。
それらの目標を可能だと考えることは実に愚かなことです。第一に我々の目標はこの地域(ホームタウンのジンスハイム並びにホッフェンハイム)に尽くすことです。
そのうえで、我々には他の大きな目標があります。それはユース育成に変化を与えることです。
私が思うに、ホッフェンハイムはハイテクを用いたトレーニングをテストする場所と考えています。ですから、ユース育成に希望を抱きながら投資してきました。例えば、ドルトムントが購入した『フットボナウト』は非常に高価なマシンですが、ユース育成に大変役立つと思います。
SAPと共に協力して、これらの技術に学際的な概念を付随してきました。我々は『革新的なクラブであるという事実』に大きな価値があると考えています。
その上で、我々はさらなる育成の発展を目指さなければなりません。そのためには、我々の考えを実践できる指導者(ナーゲルスマン)が必要になります」
これらの技術が残留に直接関係があるかどうかは判断しづらいが、彼が効果的にこの練習方法を取り入れてからチームの成績は上昇した。その他にも乳酸値テストを積極的に取り入れた体調管理などを行っている。
世界には沢山奇跡的な残留がある中で、これほど厳しい条件下で残留したチームはそうないだろう。来季もブンデスリーガで素晴らしい残留劇を魅せてくれることだろう。