ケレチ・イヘアナチョ
「(母で教師を務めていたマーシーは、君が活躍した2013年のU-17ワールドカップ前に他界した)
母が我々の元から去ったときは、僕たちにとって本当に苦しかった。我々は何も出来なかった。
従って、僕は自分に『歩き続けよう、努力し続けよう』と言い聞かせていたんだ。
彼女は、僕をより一生懸命に働かせてきた人物だ。正しいことをしていなかったとき、プレーしなかったとき、そして十分な努力をしていなかったとき。
そんなときの彼女の姿は良く覚えている。僕を動かすために後押ししてくれた。
仕事はあったが、サッカーは常に僕とともにあった。子供の時は、それをして欲しくなかったみたいだけどね。
母は教師だったし、学校に行って欲しいと思っていた。でも、僕はサッカーを愛していたし、プレーしたかったんだ。
彼らは僕を止めたがっていたけど、それは出来なかったね。放課後にプレーするのは許されなかったけど、どうあっても僕は出かけていったよ。おそらく、僕は勉強に対する興味を失ったんだ。
故郷に戻ると、驚くようなことになるよ。家に戻ると、皆が名前を呼んでくる。叫んでくる。子供の集団にもみくちゃにされる。彼らは選手に会いたがっているし、知り合いたいんだ」
シティの新星が語る――故郷のこと、そして死去した母のこと
Text by 石井彰(編集部)
カズに憧れて全身赤のスーツを買ったことで校内一の人気者になったが、中身が伴わず一発屋で終わったというエピソードを持つ島根県出身のエディター。その影響か赤いチームを好み、ヴァランシエンヌ、レイションエス、ノッティンガム・フォレストなどを応援している。
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