攻撃と守備、一つずつ変化が
調子は明らかに悪くないため、もちろんそれほど変化はない。前頁で書いたように日本戦で見せた守備的なサッカーが基盤になっている。
本拠地でもしっかりブロックを形成し、相手を引き出してからスペースを狙ったカウンターを仕掛けていく。
3トップは左がハフィーズ・アブー・スジャード、右がファズルル・ナワズ、そしてワントップにハイルル・アムリと、全員スピードがあり仕掛けられるタイプだ。
4バック+3ボランチでの固いディフェンスから、スペースを使って彼らのスピードを生かしていくのが基本的な路線である。
そして、最後方にそびえ立つGKイズワン・マフブードは好調を維持。日本との試合がフロックでなかったことを証明するようにスーパーセーブを連発し、チームを支えている。
一つの変化はサフワン・バハルディンの存在によるオプションが出来たこと。
オーストラリアで活躍した経験を持つ彼はセンターバックからセンターハーフまでこなせる選手であるが、シリア戦では彼をトップ下に起用した4-2-3-1を使った。
これは、この試合で4-1-3-2とワンボランチを使ったシリアとのかみ合わせもあったのだろうが、一つの選択として機能もした。
日本との再試合も守備的に戦うと考えれば、そう起用してくる可能性もあるかもしれない。
また、それ以上に大きいのはエースのハイルル・アムリがハムストリングの怪我で4週間の離脱となり、このチームに呼ばれていないことだ。
彼がいないのはシンガポールにとってかなり大きい。日本で言えば岡崎が抜けたようなものであり、その代わりが出来るような選手はいない。
シュタンゲ監督は20歳の若きFWムハンマド・タウフィーク・スパルノに大きな期待を寄せているようだが、現実的には「慣れていない」前線の構成になるだろう。