今シーズン、ドルトムントに復帰した日本代表MF香川真司。ハリルホジッチ新監督の下でも10番をつけた日本代表の大黒柱である。
香川といえば「ドリブル」や「シュート」といった攻撃面が売りであり、守備面に関しては「一定の距離をとっているだけ」とか「フィジカルが弱い」と批判されることも多かった。ところが、『Opta』のデータを見ると香川の意外な一面が浮かんできたのだ。
まずは、タックル成功率のデータを見てみよう。
香川のデータスタッツ。マンチェスター・ユナイテッド時代以降に注目
第一次ドルトムント時代にはタックル成功率は70%と低いものであったが、マンチェスター・ユナイテッド時代以降の成功率に飛躍的な上昇が見てとれる。
タックル成功率が示すものは?
タックル成功率は不思議な数値で、フィジカルの強い選手が良い数字を必ずしも出すわけではない。
例えば、かつてマンチェスター・ユナイテッドではベロン、ロイ・キーン、スコールズら"ガチムチ勢"を揃えていたが、その数字はむしろ下がったことがある。この数値は「守備ブロックの錬度を表す指数」でもあり、個々のフィジカルが強い面々を揃えても巧くいかないときはいかないもの。しかし、所属していたマンチェスター・ユナイテッドや今季のドルトムントを考えれば、決して良い内容とは言えず香川自身が成長をしていることは確かだ。
香川がプレミアリーグに順応するために「トレーニングを行いフィジカルを鍛えた」成果と見ても良いだろう。
一方で、もう一つ彼が批判されてしまう原因もデータに表れている。それがタックル数の少なさである。今季の出場試合20試合で合計13タックル、1試合あたりに換算すると0.65タックルなので大げさにいえば2試合に1本ちょっとの頻度である。これは決して多い数とは言えない。