今田さんは「英語をほとんど話せない」と自覚している。そこで、少しでも感謝の念を明確に伝えるべく、事前に準備ができる手紙に気持ちを込めた。辞書を引き、友人に相談し、時に徹夜したことも。そのくらいこの旅は重要なものであり、一切後悔が残らないよう入念な用意をして日本を発った。

【日本語訳】

『こんにちは。日本から来た今田健太と申します。感謝を伝えたくてこの手紙を書きました。

僕は学生時代、テリー選手の情熱的なプレーを見てチェルシーファンになりました。その頃は人間関係のことで悩み辛い日々を送っていましたが、テリー選手とチェルシーが救ってくれたのです。

テリー選手はいつも輝いていました。その姿を見て元気や勇気をもらい、人生を楽しいと思えるようになりました。だから僕にとっての恩人です。今後、一生応援し続けます。下手な英文ですが、読んでくださりありがとうございました』

3月13日、いよいよ迎えた手紙を渡す日。コブハムのトレーニング場で練習終わりを待つ今田さんはとにかく落ち着かない。

「テリーはまだか、テリーはまだか」―。そんな風にソワソワしながら待つことおよそ2時間、ついに憧れの人が現れた。