日本代表の上田綺世と渡辺剛が所属するオランダの名門フェイエノールト。
絶好調の上田はゴールを量産しており、チームも開幕からリーグ無敗を続けていたが、先月26日に行われた昨季王者PSVとの大一番に2-3で敗れて、初黒星を喫した。
上田はこの試合でゴールを決めることはできなかったが、セム・スタインを先発から外したロビン・ファンペルシー監督の采配を疑問視する声もあるようだ。
23歳のスタインは、今シーズン加入した攻撃的MF。昨シーズンはトゥウェンテで公式戦31ゴールと大ブレイクし、フェイエノールトでは新加入ながらキャプテンを託されている。
今シーズンもリーグ戦10試合で6ゴールと結果を残しているが、PSV戦ではスタメンを外れて終了間際に投入されていた。
そうしたなか、かつてアヤックスで監督を務めたアード・デ・モスは、『ESPN』の番組でこう指摘していた。
「上田の80%はスタインのおかげ。スタインがプレーしている時は、センターをカバーする選手が2人。スタインがいない時は、1人になる。
PSVのセンターバックは上田をしっかりと守っていた。そうなると、彼(上田)のプレーは制限されてしまうし、彼は相手を突破するのにとても苦労する。彼はスタインから多大な恩恵を受けている。
ファンペルシーは賭けに出た。本当に賭けに出たが、スタインは外さないほうがいい。ロビン、(このような采配は)もう二度とやらないでくれよ」
ファンペルシー監督は、PSV戦でトップ下にスタインではなく、ルシアーノ・ヴァレンテを起用した。
ヴァレンテは、ビッグゲームにおいて「中盤の守備強化要員」として選ばれるケースがあるが、デ・モスはその采配に苦言を呈していたようだ。
今季の上田は、11試合で13ゴールを決めているが、スタイン不在時の得点はひとつしかない。
なお、78歳のデ・モスは、1999年に浦和レッズを監督として指揮した人物でもある。